拙宅から割と近いところに、地元では有名な蕎麦屋がある。その店の歴史は比較的浅いが、「食べログ」でも高評価の店であり、自分も時々家族とその店へ蕎麦を食いに行く。

本日は「天せいろ」を頂いた。写真のとおり、蒸籠に盛られた蕎麦はつややかで、コシが強く食べ応え十分のボリューム。天麩羅は、海老と舞茸、細切りにした人参と、ピーマンの4点盛りで、衣を着け過ぎず、素材を生かした揚げ具合で大変に美味であった。

この店の「こだわり」は細部にまで至っており、お客へのもてなしの精神や蕎麦打ちに対する畏敬の念を随所に感じることができる。

まず、和風建築の店内に入ると静謐感が一帯に漂っている。よくよく耳を澄ますと、水の流れる美しい音が聞こえてくる。これは「水琴窟」という庭園装飾の一つで、陶器の底面に水の雫が落ちると、反響して水の美しい音色が聞こえるように仕組まれている。この水琴窟の妙なる音色を聴いていると、非常に落ち着いた気持ちで「食」に向き合うことができ、大変に素晴らしい工夫だと感じた。

次に「お品書き」を見てみると、一品料理に「焼き海苔」、「出汁巻き」、「板わさ」、「身欠きニシン」などと書かれている。これらは、東京の伝統ある蕎麦屋などに酒肴として供される料理であり、まさにこの店が本格的な蕎麦屋を志向している事がよくわかる。

このように、細部まで行き届いた仕事には、頭が下がる思いがするし、蕎麦党として非常に満足の行く、そして勉強になる店であった。今年の大晦日、年越し蕎麦を食いにまた出掛けたい。






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