年間365冊×今年20年目 合氣道場主 兼 投資会社・コンサル会社 オーナー社長 兼 グロービス経営大学院准教授による読書日記 -760ページ目

マーケティング戦略策定シナリオ/HRインスティテュート, 野口 吉昭 05057


著者: HRインスティテュート, 野口 吉昭
タイトル: マーケティング戦略策定シナリオ
―コンセプトは「市場志向」「統合志向」「利益志向」


★★★☆☆
マーケティングのフレームワークを
いろいろな実例や架空の例を基に学べる本。

分かり易かったが、ドリンク等消費財を
題材にすることが多く、分譲マンションの
マーケティングに応用するには一工夫が必要そう。

・・・なんだか読んでいるうちに
分かったような気がしてきたが、
実際に自分の商材を当てはめて、
手や頭を動かしてみないと
なんともいえない本だな、と思った。

マーケティングの大枠を体系的に学ぶには
いい本かもしれない。


著者: HRインスティテュート, 野口 吉昭
タイトル: マーケティング戦略策定シナリオ
―コンセプトは「市場志向」「統合志向」「利益志向」

叔父の通夜とお葬式

先日、可愛がってくれてた叔父が亡くなった。
日曜日に通夜、今日は告別式だった。

その息子と他の従兄弟と通夜の後、
一晩仏様と共に過ごした
(線香を絶やさすそばにいることを夜伽<よとぎ>というらしい)。

お酒が好き、にぎやかなのが好きな叔父だったので、
枕元に椅子を囲んで並べて、遅くまで思い出話で盛り上がった。
こんなことしか出来ないのかな、とも思ったけど、
きっと喜んでくれたと思う。

その時につい思い出したのが、
一昨日のドラッカーの本

 「何によって憶えられたいか」

自分もいつかは死ぬ。
その時に、残された人達の記憶に
いったい何が残るのだろう。
心の中に何を残せるだろう。

読書と経験がシンクロし、
強烈な印象が残った。

成功の法則―松下幸之助はなぜ成功したのか/江口 克彦 05056


著者: 江口 克彦
タイトル: 成功の法則―松下幸之助はなぜ成功したのか

★★★★★
やはり松下幸之助翁はすごい。
先日、本人の著作 を読んでが何故かもう一つだった。

だが江口克彦さんの「松下論」は当たり続きだ。
「上司の哲学」 に続き、
大変な感銘を受けた。

とにかく、松下翁は人の話を聞くのが上手かったという。
どんな人でも分け隔てなく、尊重しながら話を聞いた。

さらに、すごいと思ったのが、
「批判する人を褒める」ということ。

 如何に理不尽なことを言われても、
 弁明したり反論したり論争を挑むようなことが無かった。
 それどころか、むしろ批判する人を招いて、
 さらに自分が批判されるべきところがあるだろうか
 と尋ねたりもした。


これが松下翁の言う「素直な心」なのか。

・・・うーん、とてもまだまだ真似できないな。
聞いて聞かぬフリ、がまだ精一杯(笑)。
さすが「神様」、この点だけでも自分からは随分と遠い。

でも、少しづつでも近づいていこう。


著者: 江口 克彦
タイトル: 成功の法則―松下幸之助はなぜ成功したのか

プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか/P・F. ドラッカー 05055


著者: P・F. ドラッカー, Peter F. Drucker, 上田 惇生
タイトル: プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか

★★★★★
現在、日経の「私の履歴書」に掲載中の著者。
新聞で読んでいるうちに著書に触れたくなった。



 何によって憶えられたいか

 私が十三歳のとき、宗教のすばらしい先生がいた。
 教室の中を歩きながら
 「何によって憶えられたいかね」と聞いた。
 誰も答えられなかった。
 先生は笑いながらこういった。
 「今答えられるとは思わない。
 でも50歳になっても答えられなければ、
 人生を無駄にしたことになるよ」
 長い年月がたって、私たちは60年ぶりの同窓会を開いた。
 ほとんどが健在だった。
 あまりに久しぶりのことだったため、
 初めのうちは会話もぎこちなかった。
 するとひとりが
 「フリーグラー牧師の質問のことを憶えているか」といった。
 皆憶えていた。
 そしてみな、四十代になるまで意味が分らなかったが
 その後、この質問のおかげで人生が変わったといった。
 今日でも私は、この「何によって憶えられたいか」
 を自らに問い続けている。
 これは自らの成長を促す問いである。
 なぜならば、自らを異なる人物、そうなりうる人物として
 見るように仕向けられるからである。
 運のよい人は、フリーグラー牧師のような導き手によって、
 この問いを人生の早い時期に問いかけてもらい、
 一生を通じて自らに問い続けていくことができる。


こんな良い先生にはひとりもめぐり会わなかったな。
でもこの本で知ることができてよかった。

30代も半ばにさしかかろうとするが、
今はこの問いには答えられない。
漠然としすぎて言葉にならない。

仕事をしながら、本を読みながら、色々な経験をしながら、
この問いに対する答えを探していこう。



著者: P・F. ドラッカー, Peter F. Drucker, 上田 惇生
タイトル: プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか

コトラーに学ぶマーケティング/白井 義男 05054


著者: 白井 義男
タイトル: 図説実例でわかる!コトラーに学ぶマーケティング
―ぜんぶ日本の実例で解説!いますぐ「使える」発想術!


★★☆☆☆
著者は大学の助教授の先生らしい。
分りやすくはあったけど、
実践の役にはあまりたたなそう。

学術的に教養として
マーケティングを学ぶ、
という人には入門書として良いかもしれないが、
切羽詰っている人、すぐ結果を出したい人
には物足りないと思う。


著者: 白井 義男
タイトル: 図説実例でわかる!コトラーに学ぶマーケティング
―ぜんぶ日本の実例で解説!いますぐ「使える」発想術!

地球(ガイア)のささやき/龍村 仁 05053



著者: 龍村 仁
タイトル: 地球(ガイア)のささやき

★★★★★
船井幸雄氏が絶賛する映画「地球交響曲(ガイアシンフォニー)」
の監督である龍村仁氏のエッセイ。
この映画は「第一番」から「第四番」(現在「第五番」を
製作中)までのシリーズで、
一般の映画館やビデオでは見ることが出来ない。
自主上映などでみることができる(らしい)。

ラインホルト・メスナー(無酸素で8,000m以上の山を
単独で登ってしまった唯一の男)やエンヤ、ダライラマなど
をドキュメントしたオムニバス映画であるが
その製作に当たっての出来事を叙述する。

 目で見えないもの、精神的なこと、を映像にしたい

という。

映画を撮るに際して、様々な必然的な偶然に出会う。
シンクロニシティを感じさせる。

・・・上手くこの本を読んだ感動を伝えられない。

とにかく、映画を見に行きたい、と強く思った。


著者: 龍村 仁
タイトル: 地球(ガイア)のささやき

これ、知ってました?集客に、お金はかからないのです。/藤村 正宏 05052


著者:藤村 正宏
タイトル: これ、知ってました?集客に、お金はかからないのです。

★★★★★

「体験」を売る、という
「エクスペリエンス・マーケティング」を
物語風にときほぐして説明する。

なんとなく、表紙やプロローグでは
あまり期待していなかったのだし、
物語は冗長かもしれないが、
役立つ考え方や手法満載だ。

店舗や商業施設において、
如何にお金をかけずにお客さまを中へ導き、
滞在時間を長くさせ、そこで共感を生み、
購買に至るための様々な工夫が書かれていた。
分譲マンションの販売センターに応用できそうだ。

面白いなと思ったのは

 店舗では蛍光灯でなく電球の方がいい。
 お祭りの屋台みたいに。


これは無意識にやっていた。
接客スペースは暖色系の方が良いと
なんとなく経験で感じていた。

 「左側パラダイスの法則」
 人は無意識に左側に支配される。
 人は規制が無いと、自然と時計の反対側に
 回る傾向が強い。
 商品も左下に少々お得なものを置いておけば、
 それが頭にインプットされて、
 その次に少々高いものを置いていても
 「全体にこのお店は得だな」
 と認識する。


これも、武道の経験で気が付いていた。
首は左右のどちらに向けるほうが
より自然に向けられるか?というと
「左」という人が多い(右、という人もいるのかな?)
でも店舗レイアウトにこの人間の習性を生かす、
というのは気が付かなかった。なるほど。

 内装は予算が少なければ「床」にお金をかけろ。
 そうするとお客さんは「結構上等な空間だ」
 と認識する。


これは知らなかった。
分譲マンションの販売センターを作るときは
どちらかというと壁に意識とお金をかけていたかも。
床は「革靴が擦っても汚れない色のタイルカーペット」
にしちゃってた。
そういえば硬質の幅広フローリングを接客スペースに
貼ったことが一回あったっけ。

なるほど。これは面白い。
分譲マンションのモデルルームに応用してみよう。


著者:藤村 正宏
タイトル: これ、知ってました?集客に、お金はかからないのです。

強運になれる50の小さな習慣/中谷 彰宏 05051


著者: 中谷 彰宏
タイトル: 強運になれる50の小さな習慣

★★★★☆

巻頭の言葉の

 強運はつかむものではありません。
 あなた自身が、小さな習慣によって、
 強運そのものになるのです。
 運の強い人と、運の弱い人がいます。
 運の強い人は何が違うのでしょうか。
 運のつよいひとは、いざという時に強いのではありません。
 ふだんの何気ない習慣が違うのです。
 運の弱い人は、ここ一番でガンバろうとして失敗するのです。
 ここ一番では、ガンバらなくてもいいのです。
 ふだんの簡単で小さな習慣が、あなたの運を強くするのです。


に深い共感を覚えた。

何気ないことの積み重ね。
凡人が見逃してしまう、日常での些細な出来事。
それを如何に大事に細やかにしていくか。
それを如何に無意識のレベルまで持っていって
習慣化し自分の血や肉とするか。

その僅差の積み重ねが
大差を生むのでしょう。


著者: 中谷 彰宏
タイトル: 強運になれる50の小さな習慣

アマゾンの秘密──世界最大のネット書店はいかに日本で成功したか/松本 晃一 05050


著者: 松本 晃一
タイトル: アマゾンの秘密──世界最大のネット書店はいかに日本で成功したか

★★★★☆
月に何万円もお小遣いを使わせられる、
憎たらしい(?)サイト、アマゾンの開発裏話。

小生は会社の分譲マンションポータルサイト開発の
プロジェクトマネージャーを経験したことがあるが、
その際の忙しくも知的で楽しい日々を思い出させてくれた。
(当然サイトのスケールは全く違うけど)

WEBマーケティング的にはとても学ぶべきところの多い
アマゾンであるが、同サイトの面白い試みを一つ。

「ABテスト」と呼ばれるテストを行っているそうだ。
どのようなテストかというと、
コンテンツの効果を評価するために、別々のコンテンツを
一定の確率で実際のWEB上でエンドユーザーに提示し、
その反応を確かめる、というもの。
アマゾンではしばし行われ、特にサイトの基本的なデザインを
決定する時には大活躍しているのだそうだ。

すばらしい。

似たようなことをバナーやテキストバナーではよくやっているが、
(AとBとどちらの方がクリックされる数が多いか、
 迷った時にはある期間同数表示させて、
 クリック率の高い方を採用する)
サイトでそれをやってしまうのか。

サイト製作の際には
「お客さんだったらこう考えるに違いない」とか
「ここにこのコンテンツを持ってきたほうがいい」
など、作り手側の勝手な思い込みでドンドン作ってしまうが、
この「ABテスト」は「お客さんの反応でどっちにするか決める」
というのは面白い。
当たり前といえば当たり前だが、思いつかなかった。。。

またポータルサイトを作りたくなった。
もう1年半経ったし、いろいろと気に食わないところ増えてきたし、
そろそろ作り直そうかな。。。


著者: 松本 晃一
タイトル: アマゾンの秘密──世界最大のネット書店はいかに日本で成功したか

企画力 「共感の物語」を伝える技術と心得/田坂 広志 05049


著者: 田坂 広志
タイトル: 企画力 「共感の物語」を伝える技術と心得

★★★★★

 「優れた企画書は最高の推理小説だ!」

という帯に惹かれて手にとってみる。
企画力とは何だろう?

 企画力とは何か。
 人間と組織を動かす力。
 それが企画力です。
 採用されない企画書は「紙くず」にすぎない。

 プロフェッショナルの世界において、「企画力」とは
 「企画を立案する力」のことではなく
 「企画を実現する力」のことだからです。

 貴重な時間を使い、考えを尽くし、
 思いを込めて書いた企画書を、
 決して「紙くず」にしないための戦い。
 「企画力」とは、その戦いを戦い抜くための
 力のことでもあるのです。


なるほど。商売柄、企画書はよく書くけど、
それほどの覚悟は今まであったかな。。。
「営業企画」というセクションは
専ら社内向けの企画とプレゼンばかり。
「根回しに手間を惜しまない覚悟」は
確かに必要だったが。。。

 ではどのようにして人間や組織を動かすのか。
 「物語」を語ることです。
 その「物語」を魅力的に語ることによってです。
 その「物語」を聞いた時、多くの人々が、
 面白いと感じ、想像力を掻きたてられ、
 様々な知恵が湧き、行動に駆りたてられる。
 そして、その「物語」を聞いたとき、
 多くの人々の間に、深い「共感」が生まれてくる。


うーん、深い「共感」か。
そこまで小生の企画に深い共感を
持ってもらったこと、あったかな?
どちらかというと、企画の内容よりも、
「誰が企画したのか」とか
「誰が賛成しているのか」とか
「誰が反対しているのか」などの
バランスの中で組織の「空気」が
決めてしまっているような気がする。
中身について突っ込んだ議論になった覚えが無い。。。

とにかく、この本を読んで
一本企画書を書いてみようと思いました。

「物語」と「共感」を求めて。


 <後記>
 3月9日、友人(ヒビキングさん)に誘われて、
 田坂広志先生の講演を聴きに行きます。
 とても楽しみだ。

著者: 田坂 広志
タイトル: 企画力 「共感の物語」を伝える技術と心得