古武術の発見―日本人にとって「身体」とは何か/養老 孟司 甲野善紀 08147
- 古武術の発見―日本人にとって「身体」とは何か
(知恵の森文庫)/養老 孟司甲野善紀
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急に甲野善紀先生の本が読みたくなる。
随分とお会い出来ていないが、
お元氣にされているであろうか。
本書は平成4年と、相当古いもので、
「井桁理論」を発見された当時のもの。
今、先生が教えてくださることは
随分と進化されているが、
その甲野善紀先生の進化の過程を読む、
というのもまた研究材料としては面白い。
学生や社会人の仲間と稽古をすると、
個人の「身体感覚」というものに
大きな差があることを感じる。
その「身体感覚」を
常に意識をしている者としていない者。
その差は歴然としてくる。
私も常人と比較すればあるほうだろうが
甲野善紀先生と稽古をすると、
「なんて自分の身体感覚は粗いのだろう」
といつも悲しくなる。
本書の中で一人稽古の重要性を
何度も強調されているが
甲野善紀先生は肘の工夫をしているだけで
新幹線の東京~大阪間も飽きないのだとか。
私は、型というのは、
「癒着をはがすための基本動作」であると、
わかりやすく言っております。
つまり、ついつい一緒に動いてしまう
日常的にパターン化した、
筋肉なり身体感覚のブロックを
バラバラにする、ということです。
そうだ。その通りだ。
武道の精妙な動き、というのは
実に、極めて非日常的な動きであり、
自然と体の中から湧いてくるものでは、
残念ながら無い。
体の常識を捨てさせる。
型稽古にはそのための、
先人たちの偉大な知恵が詰まっている。
段々と体が疼いてきた。
ここ1年ほど、何度かご連絡を頂戴したが、
出張等でなかなか時間が合わない。
本書を読んで、今度は少々無理をしてでも、
久々に稽古をつけて頂きたいと思った。