札幌はもう秋の風
木曜生まれの子は遠くへ行き・・
3日前から札幌に来ている石川です。
日中の札幌は、風がさわやかで気持ちいいです。
そして陽が暮れると肌寒いです。
半袖しか持ってきてなかった私は風邪をひいてしまい、
先ほどカーディガンを購入しました。
去る火曜には、坂本ゼミの視察に同行させていただきました。
視察先は、富士メガネ(札幌本社)と植松電機(赤平市)でした。
どちらも個性的な社会貢献を実践している企業で、クール無双でした。
いつも、よそ者の私を快く受け入れてくださる
坂本先生とゼミのみなさま、心から感謝しています。
土曜からは、増淵ゼミの合宿が始まります。
道内最古の商店街がある狸小路生まれの先生に、
札幌をガイドしてもらえるのがすごく楽しみです。
神田地域の再開発事業は、神田再生の救世主か!!?おまけ
さて、この度夏季集中で受講したのは佐々木俊介先生の「地域ブランド論」です。
佐々木先生は、現在主に青森県でご活躍なさっていることから、青森県の興味深いお話をあれこれ伺うことができ、そうでなくても青森県の奥入瀬渓谷はもとより十和田湖近くのに興味があったところ、ますます高速道路千円期間に行かなくては
と、気持ちが確定した次第です。
で、先生のお話から最も興味を持ったのが「鰐カム」という名称
なんかいい響きだと思いませんか
で、検索して出てきたのが謎の芸人「ささきまこと」のブログで、思わず
でも、面白がってばかりではありません!!
この講義を受けての私の中における最大の収穫のひとつは、『なみへい倶楽部』という神田にあるNPO団体の存在を知ったことだと思います。
こちらは、「全国の人と知恵と食がつながるリーダーズサロン」というコンセプトで、意志ある方々が集う場所で、各地域の地域ブランドにまだ至っていない地域自慢の品々と、そのような食材を使おうと考えている方々とのマッチングがいかに図れるかというのが第一義の目的であり、テーマとなる都道府県が月替わりとなります。
主に情報や飲食の提供の場というスタイルではありますが、興味本位の方の来店を望まれません。でも、地元の”これって結構自慢”という「知る人ぞ知る何か」がある方は、席の予約をされて地域活性のためになみへい倶楽部にご相談されるのはよいのではないでしょうか。
で、このような講義を受けられる方々は、やはりそれなりになにかPRしたいものを抱えておいでで、イノマネの方は、宮崎で丹精こめて育てている「あじ豚」http://blogs.itmedia.co.jp/brand_ing/2010/05/post-d816.html
のブランド価値に正当性を求めるためにどのような策があるか、経営学研究科の千葉県職員の方は良質の「市川の梨」のブランド価値のメジャー化を、政策創造研究科の北海道の美唄に関係の方は美唄市の食材のPRを(殊に焼き鳥が特徴的でおいしそーーー)、などなど、とかく、食材に注目が集まりますが、私はもちろん、「万世橋駅の地域ブランド化」についてという題の提供となりました。
ということで、一般の市民の方々が、初めて万世橋駅というものの現状を知った上で、どのような展開がありうるとお考えになったかをご紹介したいと思います。
これについては、完全フリートーク状態であることをご承知おきください。
・確かに、その歴史性、場所性から、他に二つとない地域ブランド化する要素がある。
・万世橋駅のそもそもの存在意義を考えると、都電のターミナルの結節点であったという視点ははずせないことから、ミステリーツアーに使用する車両は、都電をモチーフにするのがよいのでは!!?
・車両調達の手段として、広く社会に資金提供を呼びかけることで話題を提供するのも戦略として有効なのでは。ことに「てっちゃん,てつこ」(乗り・撮り不問)諸氏は積極的に協力してくださるのではないだろうか。
・車両を作るプレートに、資金提供者の名前を入れて記念写真を撮り、送付する。
などなど、万世橋駅テーマに限らず、佐々木先生のお人柄もあり、皆さんの注目することについての共感や幅広い楽しいプランが聞け、論文作成の切迫した空気感をつかの間忘れることのできる雰囲気でした。
あ、ヤッパり面白がってばかりか
で、最終的に先生に提出した期末レポートの一部が下記のようなものとなります
4.おわりに
建造物について、歴史的な価値の有無を定めることは大変難しい問題である。なぜなら、欧州の住宅については人の手を渡るほど手が加えられることによる快適さが蓄積し、世紀をわたる建築物が大事にされているというが、日本においては寺社仏閣は特別の扱いとして、一般には「100年住宅」などといった言葉が特別である意味づけがなされることからわかるように、ひとつの建築物を長く活かす発想とはいえない。日本は地震大国であり、木造と紙の家であったこともその所以にあげられようが、それにしても、堅牢な建物にいたって執着なく取り壊すことが多い。このことは、8月24日の中央区の初期の復興小学校である明石小学校の解体着手問題に現れている[1] 。この件については、9月3日の読売新聞以前にも、いくつかの記事で取り上げられ、NHKのテレビ放送でも何度か報道されている。日本建築学会が、重要文化財的価値があると進言しているにもかかわらず、「もう少し早く知らせがあれば再考できたのだが」と、中央区長は壊す前に述べている。壊してしまうことは簡単である。万世橋駅遺構についても同様なことが言えよう。
今、明治時代、大正時代、昭和初期の特徴的な建造物の存続が危ぶまれていることを最近の新聞で知った。明治時代のものはまだその損失率が低いが、大正時代・昭和初期の建物は激減しているという。役割を終えたそれらを現代の需要にあわせて使うことはごく当たり前のことではあるが、長らくその地の景観を構成してきたものは、それなりに市民の成長の記憶の中に存続するもの、つまりは、自己肯定感の構成の一助と考えうる。そして、そのような地域に資してきたものを大切に守ってゆくことが地域文化=地域ブランド、ひいては日本ブランドとなってゆくのではないだろうか。日本はエコノミックアニマルといわれ、経済成長は目覚しいものであったが、次の段階に進むに至らず、今も経済尊重から文化尊重へ人間性の成熟を迎えることができずにいるようである。
海外のかたがたは、他所にない日本らしさをとても素直にキャッチしてその価値を認めてくださっている話を聞く。限界集落の古民家であったり、伝統芸能の継承であったり、なかでも小布施町のセーラさんはつとに有名であり、この地の名を世界に広めてくださっている。また、同じ日本人であっても、「よそ者、若者、ばか者」に表されるように、葉っぱビジネスの始まりや、小布施町の観光政策の発展に寄与した関氏も代表的に上げられよう。
よって、ブランドの保護についての最大の課題は、地域の人々の地域文化の認識がまず一つ目のハードルといえるのではないだろうか。その上で、ようやくブランドをより特化したものへと昇華させ、その周知の方策やブランド維持の方策が問われることとなる。
(中略)
また、交通博物館閉館の折、高架下見学の希望者が殺到し、当初予定していた3ヵ月半の期間がその半月ほど先の閉館日にまで延長されたこと、その見学の際に、見学者が係員に、「この遺構は壊されてしまうことはないだろうね」と、詰め寄るシーンがあったとの話から、この遺構の特別な使途の可能性はJREも十分に把握できた状況がある。昔の姿をそのまま残すという手法の一方で、より積極的に地域イメージを作り上げるという手法も有効であることは修景の小布施町や、植樹・露天風呂創造等の黒川温泉[2] が示している。しかし、万世橋については、現段階では、高架下の連続したレンガアーチを修復するという景観のみの提供で地域への役割を果たしているとの認識である。何をどのように価値付けるかは時代の要請を含めてさまざまな視点が存在するが、その根底に食であれ、建造物であれ、伝統であれ、「文化の尊重」が第一義に来るような、精神性の豊かな時代が近く到来することを願い、自分もその布石となれるよう努めていきたいと考えている。以上
文責 法政大学大学院 政策創造研究科 修士課程2年 中野
《参考文献》
安田龍平、板垣利明編著「地域ブランドへの取り組み」同友館2007
小布施町 関悦子氏他「アラ小布施」メンバーインタビュー、各種新聞およびWEB上のサイトほか。
[2] 桒原泰生「黒川温泉(熊本県)」安田龍平、板垣利明編著『地域ブランドへの取り組み』同友館2007