間が空いてしまいましたが、11月30日に市川まで吟行に行って来ました。私が所属する俳人協会埼玉県支部事務局と千葉県支部世話人の合同吟行句会です。
そこで能村研三先生が両者の交流を図ろうと声かけをしてくださり、実行の運びとなりました。
雪虫を間近で見ることも叶い、とても素晴らしい吟行句会でした。
日付は変わり12月に。
前から気になっていた川の博物館へ。
平日だからかほぼ貸切。粉挽き機を搭載し中で生活もできる舟の展示を見たり、水車小屋を見たり。鉄砲堰の映像を見た後にレプリカで実演も。
かわはくのホームページ
そこから一路いつもの秩父路。この日は友人の手伝いに湧水を汲みに行きました。
写真の右側は句会のお菓子と上記の吟行句会で知り合った大野素郎さんの句集です。
初凪や海女大らかに欠伸して
大野素郎『航跡』
ぬばたまの闇にかな書く蛍の火
大野素郎『ポケットに俳句』
そして待ちに待った岩淵喜代子先生の句集『穀蔵』〆切割付などあるのに読み耽ってしまいました。
穀蔵 岩淵喜代子
穀蔵にある日母船のやうな影
生きてゐるかぎりの手足山椒魚
夜光虫の水をのばして見せにけり
菱の実をたぐり寄せれば水も寄る
紙漉くは光を漉いてゐるごとし
くらやみのごとき猟夫とすれちがふ
最後の句は近年の岩淵先生の御句で最も好きな句です。
このところ少しお話の長い高齢の男性が入会されて、お話は楽しいのですが句会のテンポが滞り気味。そこで一念発起して途中で次の句に行かせて頂くことに致しました。
句会には色々な思いを抱えた方が集まります。
好きな人と好きな時だけいられれば、それは安泰でしょうが、社会自体が様々な人で構成されているのでそういう訳にも行きませんね。
なので、みんな言いたいことは抑えて。
物言わぬ文学である俳句の勉強はそんな心の鍛錬にもなるのかもしれません。
句座を囲むことは吹奏楽の演奏に似ています。皆さんで素敵なハーモニーを奏でましょう。
身一つの手児奈の海や冬夕焼 麻乃
着膨れし俳人わらわら個人会計 麻乃
篠六本木句会は16日土曜日です。
会員の皆様へ。第1校正を12時から同じ谷箪会館でいたします。よろしくお願いします。