先週、未来の巨匠が集う映画祭に行ってきました。
簡単ですが感想を書いておきます。

『散歩』
男優さんにスノードームを渡された女優さんが間髪入れずに「あ、スノードームだ!」と拾い上げていたので台本の存在を感じました。
最後に男優さんが「もうだいじょうぶ」と口パクで言っていたのが読み取れてわかりやすかったです。でも何をもってしてもう大丈夫なのかが読み取れませんでした。
でも、台詞が少ない中で背景を想像させていく手法は大成功だと思います。この人未亡人なんだなって僕でもわかりましたから。

『ねじれたマシュマロ』
ストーカー役の男優さんは役柄上やんわりとキチガイだとわかりましたが、女優さんもただ単に台詞を棒読んでいたわけではなくてやや社会の外側にいる人間という設定だったのですね。
狂気をファンタジックな表現で包んでいるので、登場人物をなんとなく常人なのかなと思わせてしまうところが実は作品の狙いなのかもしれません。監督の寛容な人柄を感じました。
おそらく風の都合でしょうけど、しゃぼん玉がもっとドリーミーにたくさん飛べばよかったですね。空の色がきれいでした。
あと、単直に内面の純粋さを表現するならば僕だったらブラジャーは白かな(笑)。

『Re:Creation』
テーマがはっきりしているし、撮り方がとても上手ですね。
幼児期のビデオテープを観て主人公が考え方を変えるところはすんなりと共感を覚えました。
細かいことなんですが、たばこ休憩をしながら主人公が目上の人と会話するシーンでは目上の人が立っていたら壁にもたれて座っている主人公も立たせた方がいいのではと思いました。
しかし全体的に見て役者さんの演技が達者で監督さんの表現力も見事でした。
観客にテーマを突きつけて考えさせる力がありますね。

『笑ゥ男』
ストーリーは月並みなホラーですが、オープニングクレジットは凝っていてかっこいいと思いました。
オカルトサークルのよくしゃべる男子が千原Jr.に似ていました。
笑うおじさんのカットが長かったせいか次第に慣れてしまい怖くなかったのですが、僕の横の男性客がおじさんのアップが映るたびに笑っていたので、もしかしてそういう風に楽しむのが正解なのかしらと思いました。

『視線』
引きこもりが母親に部屋を盗撮されてたのを知って気が狂うというストーリーです。
人が精神を冒されるくらいなんだから、見られちゃ恥ずかしいシーンはもっとパンチの効いたやつを使ったほうがいいんじゃないかな。でも監督が女の子だから男子のオナニーシーンとか撮れなかったのかな。思春期は置いといて、余計な気を遣わずに撮るべきです。
しかし母親が息子を盗撮して動画を公開するという発想はおもしろいですよね。実際には母親よりもネット住人の息子の方がITに詳しいはずなんだから、奮起して応戦すれば親子のデジタル合戦が勃発するはず。いろいろ妄想がふくらみますね。

『舞い散る夜』
主役の男子学生の風貌が若干市橋達也に似ていたので、彼の部屋を訪れた女子学生がリンゼイさん的なことになるんじゃないかとドキドキして見守っていましたが、とてもさっぱりた青春ムービーですがすがしい後味でした。若さとエネルギーが溢れていていいですね。好きです。
ところであの考える人の小さい彫塑は消しゴムなんですね。受験本番に使う上に人に貸せるほどよく消えるのかしら。受験校が美大とかでゲンかつぎのために持ってたとか?
作品の中でポイントになるアイテムだけにいろいろとディテールが気になってしまいました。

『くまのマイケル』
くまのぬいぐるみが人間になったらこんなんだよな、と納得です。
いい感じでおじさんの素人AVっぽい気持ち悪さがにじみ出ていて適役だと思います。女の子も演技が自然で憎めない人柄ですね。
サウナスーツのボクサーや肉まんなどのエッセンスが箸休めになって飽きずに観ていられます。
料理の腕を褒めるならば、つまみ食いする弁当の具はウィンナーよりたまご焼きの方がよいと思います。


以上です。
映画の製作とか全くわからないのですがえらそうにすみません…。
若いことと創造するということ、すばらしいと思います。
僕もなんだか一人暮らしの大学時代を思い出して青い匂いがしました。