突然ですが、真っ赤なラーメン屋の話をします。

僕の地元には真っ赤なラーメン屋があります。
店の主人が自力で建てたという小屋というかバラックが店舗です。真っ赤です。

$無血革命

外の仮設トイレも停めてある軽自動車も真っ赤です。

$無血革命

以前は「まゅうい~!!」の文字が書かれていましたが、今はなぜか「ゅ」が消されてしまい「ま うい~!!」になっています。
それでも意味を成していませんが、僕は「ゅ」が消されてしまったことをとても残念に思います。
この、意図するところが「うまい」なのか「まずい」なのかわからない造語に感服していたというのにあっさり誤字だと認められてしまったのだから。

在りし日の姿↓

$無血革命

さて、気を取り直して中に入ってみると壁もひょうたんも真っ赤です。

$無血革命

メニューは醤油ラーメンとチャーシューメンとライスの3種類です。
営業時間は朝7時から午後2時まで。

$無血革命

僕の地元では朝ラーメンを食べる習慣があるので、朝型の営業でメニューが少ないラーメン屋がいくつかあります。
そういう店のラーメンは藤枝ラーメンといって、うどんとかそばみたいな純和風なスープなんですが、ここの店は特にそういう系統の味ではないようです。

とりあえずラーメンを頼んでみました。厨房で作るのはおかみさんです。

$無血革命

なんと注文から2分で出てきました。インスタントより速い!
さすが実質メニュー1つでスタンバってるだけありますね。
もしかして赤いから3倍速いのかも。

店の雰囲気とはうらはらに、わりとおいしい普通のラーメンです。
すごくおいしいわけでも特にまずいわけでもないです。まさにまうい~!!です。

赤線の写真集がありました。おかみさんによると店のお客さんがくれたそうです。

$無血革命

赤線というのは戦後の売春宿です。詳しく知りたい人はWikipedia先生に聞いてください。
赤い店で赤線の廃墟を見ながらラーメンをすするなんて乙ですね。この店自体が終戦直後の様相です。
僕も赤旗とか山本直樹のレッドとか寄贈しようかな。

しばらくするとお得意さんらしいお客さんやご主人が店にやってきました。
ご主人は片腕がなかったので戦争で失くしたのかなーと思いましたが、年齢が60歳前後だと思われるので、もしかして任侠的な抗争的な仁義がない的なあれやこれやかもしれません。とにかく彼らの話の内容を総合するとカタギではない感じのあれでした。

帰りに表に出ると同じくカタギでない感じの猫さんがいました。
外に置かれた皿にエサが乗っていたので餌付けされた野良猫のようです。

$無血革命

この真っ赤なラーメン屋はまだ開店して1年くらいだそうです。
謎めいた外観のおかげで地元局のテレビ取材も受けています。

失われかけている昭和を満喫できる貴重な店なので、廃墟になる前にもう1回くらいは行きたいです。