無血革命-出番表


東京事変のウルトラCを見にいった日、夜までヒマなのでまた寄席を見に行きました。

笑点でおなじみの落語家さんが高座を務めるとあってお客さんは大入りでした。


ちょうど真打昇進襲名披露興行だったみたいで、舞台の両脇には花環や樽酒が飾られていました。

この日は春風亭鹿の子さんと春風亭傳枝さんという二人の新真打が主役だったようです。


僕は小遊三さんと歌丸さんとナイツしか知りませんでしたが、いろんな落語家さんの噺が聞けるのは嬉しいです。

「ぞろぞろ」をやった瀧川鯉昇さんの話し方はとぼけていて笑えました。


小遊三さんは「堀の内」という尋常ならざる粗忽者の噺。

ド天然の主人公をあの独特なアイロニカルな調子で演じていました。


歌丸さんは「鍋草履」という十八番。

扇子を箸にして鍋を突付く姿が名人芸です。


寄席は演者が交代するたびに、どんどん高名な芸人さんになっていくのですが、それに比例して年齢もどんどん高くなっていきます。お付きの人に支えられて出てきた高齢の三味線漫談師もいました。

玉川スミさんていうおばあちゃんですが、芸歴87年てどういうこと…?

満州とかシンガポールの戦地を巡業した話とかしてくれました。もう骨董品ですね。

芸能生活90周年までがんばってほしいです。


途中、真打昇進披露口上というのがあり、真打に昇進する二人のお師匠さん、そして落語芸術協会の会長と副会長である歌丸さんや小遊三さんが一堂に会して、冗談を交えつつ祝辞を述べてました。

その間、新真打の二人はずっと真ん中で舞台に手を着いて頭を下げていました。(最後に顔を上げましたが)

なんだか自分も初心に還るような気がしました。貴重な行事が見れてよかったです。


ところで僕の座った席は最前列だったのですが、隣りにいた30歳前後のお一人様の男性がなかなかに騒々しい人で、お目当てらしき芸人さんが出てくると「よっ!待ってました!……(ちょっと間があく)……たっぷりっ!」とひとしきり叫んでました。

「たっぷりっ!」って必ずつけてたけど決まり文句なのかしらん。初めて聞いたけどすごい耳に残る(笑)。


それだけなら全然気にしないのですが、その人は見当違いのところで無理に大声で笑ったり、噺の途中で「てんしき!」だの「子ほめ!」だの声に出してネタのタイトルを言うので大変に興覚めでした(笑)。

言わなくてもポピュラーなのはわかるのに。タイトルメモってたからブログに書くのかな?


結局寄席そのものより、その落語ヲタなお客さんが一番印象に残ったような気がします。一緒に行った友人と「通人ぶりたいのはわかるがああいう人の隣りになるのはもうご免だね」と話しながら帰りました。


後日その友人からこんな写メが届いた。


無血革命-たっぷり

すでに忘れかけていたのに(笑)。