5/7(金)の昼の部をJCBホールで、夜の部を六本木ヒルズのTOHOシネマズで見てきました。
8月にDVD化されるそうなので、内容の詳細はボカしながら感想を書こうと思います。
鳥居さんが創作したコント「密室」は、安部公房の『箱男』を連想させるような巧緻なメタフィクションでした。
キングオブコメディの高橋さんとサンドウィッチマン富澤さんが特別出演(友情出演?)していて、それにサンドウィッチマン伊達さんを加えた3人でのコントでした。
高橋さんは鳥居さんが自身のネタで演じるような狂気を表現する役柄なのですが、流れるような名演技で自然に引き込まれてしまいました。途中、一瞬鳥居さんの生霊がのりうつったかと思いました(笑)
伊達さんは普段の鋭いツッコミ師とは一味違ったキャラクターでした。
しかしあの達人芸ともいえる絶妙な台詞回しはそのままで、場がシリアスになりすぎないよう巧みに操ります。
富澤さんは良識を持った破綻者という一番難しい上にテーマの中心を語る重要な役どころです。
話の芯を見事に捉えて狙った落としどころに持っていきました。
営業ライブでサンドウィッチマンやキンコメのネタを生で見たことがありますが、自分たちのネタを演じるのとは全く違った真剣さが伝わってきました。
きっと鳥居さんを含めた4人で忙しい合間を縫って、たくさん練習したんでしょうね。
作家に徹した鳥居さんが舞台裏でモニターをチェックする厳しい顔が目に浮かぶようです。
富澤さんのブログに「天才・鳥居みゆき」という言葉が閃いているのを見て、鳥肌が立つ思いでした。
鳥居さんピンの映像作品「鳥居みゆきのスイッチ」もかわいくてよかったです。
鳥居さんの独特のキャラがよく現れていました。
果たしてオードリーファンには受け入れられるかしらん?と心配しましたが、意外にも会場の女の子たちからほのぼのとした笑い声が湧き上がっていました。「かわいい!」という声もチラホラ。
そしてラストを飾ったアンガ田中さん作の長尺コント、主演を鳥居さんが務めていてこれまた感奮ものでした。
ボケを抑えた大事な役どころをきっちりこなしつつ、要所要所で彼女にしか取れない類の笑いも取っていました。
昼の部は生で見たので、暗転した舞台上で大道具や演者が動くのがうっすらシルエットで見えたのですが、1秒前まで完璧なフィクションを演じていた鳥居さんが、照明が消えた瞬間スッと役を離れ、舞台袖にすばやく姿勢良く歩いていくのがとても印象的でした。(姿勢がいいのはタイトスカートとパンプスという衣装の影響かも)
いまだ見たことのない鳥居さんのONとOFFの境界が見れたような気がしました。
TOHOシネマズで夜の部を見たときは暗転中の画面が暗すぎて見られなかったのが惜しかったです。
しかし劇場より映画館の方が演者の表情やモニター映像が大きくクリアに観賞できたので、そのぶん内容もわかりやすいし大興奮でした。
銀幕に映し出された鳥居さんのアップは活き活きしていてとても綺麗でした。
夜の部のエンディングで鳥居さんが泣いていたそうですが、全然気がつかなかったよ、オイ…(涙)
メンバーの誰かがその話に触れたそうですが、映画館ではエンディングの途中で早めに終了したのでその部分は放映されませんでした。鳥居さんの涙が見れた人はラッキーです。
しかし昼の部のエンディングで特別出演のキンコメ高橋さんが紹介されて登場したとき、鳥居さんがそっと彼の手をつかんで、マイクが拾うか拾わないかくらいの声で「ありがとうね」と言いました。
そのときの鳥居さんの満面の笑顔がなんだかとっても心に響いて、万感の思いで拍手を贈りました。
早くDVDにならないかな。
出入り口に鳥居さんの単独ライブのポスターが飾られていました。
帰りにこのポスターの前で「鳥居みゆきのコレ行きたいんだけど!」って言ってたオードリーファンっぽい女の子がいたけど、チケット取れなかっただろうな…(´・ω・`)
でも鳥居さんに興味を持ってくれて、なんだか嬉しくなりました。