オペラのアイーダを観た時

いきなり隣国の姫君が

密かに敵国の王女の召使になっていて

王女の婚約者と恋仲になっているところから

始まったのにビックリしたのを覚えています


バレエだったら

物語の展開前に人目を忍んだパドドゥ

あたりを差し込むでしょ!?

って思いました


でも

プロのダンサーになった私の生徒たちも

舞台に立ってはじめて

ジゼルの登場人物やストーリーを

はじめて知ったという話をするので

意外に

バレエってフィジカルな部分の凄さが注目を浴びて

作品の内容や成り立ちや

メッセージなど

あまり知られていないのかも

と、思い

当たり前でもうたくさん

と思われるかもと考えず

少し説明させていただくことにしました


ザックリの作品解説だけします


おもちゃのチャチャチャは

私が恩師のお教室を手伝っていた頃からいちばん小さな子供たちに踊らせていた演目で

音楽に合わせて両手両脚を大きく動かして

回ったり飛んだり基本的な動きができるように

上に伸びる、プリエする、左右の意識を持たせる

体重の移動を意識する、つま先と膝を伸ばす

いろんな要素を入れてみました

私の教師としての原点であり、生徒のはじめの一歩としての作品です


ドン・キホーテ

セルバンテスの有名な小説が元になっていますが

バレエの作品の中では主人公は

宿屋の娘 キトリと 床屋の バジルです

今回は一幕のバルセロナの広場でのキトリのバリエーション

カスタネットの音ともに現れるキトリの

勝ち気で明るく、艶やかな踊りはジャンプや回転

鮮烈な美しいラインが見せ場のバリエーションです


キューピッド

本来のキューピッドのバリエーションは

第二幕

夢の場と言われる

ドン・キホーテが怪物と見間違える

風車の羽に飛ばされて

夢を見ているシーンで踊られる

短いソロですが

今回は5人で踊るので

夢の場で森の妖精たちとキューピッドたち

が踊る曲を使用しました

作曲はレオン•ミンクスです


海賊

バイロンの叙事詩が元になった

さらわれたギリシャの姫君を

海賊のコンラッドたちが助けるお話です

スペクタクルな演目で

海賊船

難破

誘拐

奴隷市場

ハーレム

今時は人権侵害まみれなストーリーですが

音楽

アダン、ミンクス、ドリーブ

ドリゴ、オルデンブルグなどが使われていて

振付もうダイナミックな男性の技が堪能できる

人気の演目です

今回のアダジオは

姫君メドーラを助けた

海賊 パドドゥの場合はコンラッドとではなく

手下のアリが何故か踊ります

全幕では

コンラッド、メドーラ、アリの3人の踊りです

バリエーションは

海賊のメドーラのバリエーションは

今回のパキータからチョイスされた物のほか

ドン・キホーテの森の女王の曲

ラ•バヤデールでガムザッティが踊る曲

グランパデシャで登場するバージョン

アンデオールのターンやアンデダンのターン

アラセコンドターンとピルエットの連続の曲など

5曲ほど種類があり

それぞれの時代のプリマが

それぞれの持ち味を競った背景が窺われます