ALOHA!
前回に引き続き大好きな作家さんのイチオシの一冊をご紹介します。オマケのなんちゃって料理は本文記事とはあまり関係ない場合もございますが、ご了承下さいますよう、お願いいたします。
ハワイにのめりこむきっかけになった、人生を変えるほどの衝撃を私に与えた本は繰り返し申し上げていますように、池澤夏樹氏の「ハワイイ紀行」なのです。それをきっかけにして池澤夏樹ワールドにどっぷりと浸かりきってきました。
今回は池澤夏樹氏の著書の中の一冊のみをお勧めするということでずいぶん悩みましたが、私の中のテーマ「国境を越える」ということに一番近い本、またハワイを含めた楽園についての考察、そうして池澤夏樹氏の旅作家としてのありようを想像できる本を選ぶことにいたしました。池澤夏樹氏の著書には他にもぜひお勧めしたい本が多数ですが、椎名誠氏同様に順次、ご紹介できればと思っております。
☆人生は旅
椎名誠氏と同じく池澤夏樹氏も絶えず世界中を旅してエッセイにまとめていらっしゃる作家です。椎名誠氏との違いは、椎名誠氏があくまでも拠点が日本であって、どんなに辺境の地をさまよっても必ず日本、東京に帰って来られるのであるのに対して、池澤夏樹氏は何年か周期で住まいを替えて行き、またそこでの生活について詳しく深く文章にまとめて著書にし、また唐突に(読者から見れば)世界のどこか池澤夏樹氏の興味を持たれた場所に移り住むという独特のスタイルの作家さんのようです。
そういうスタイルができる基盤は池澤夏樹氏の語学力があってのことで、普通はそこまでフットワーク軽くは移動はできません。また池澤夏樹氏の根本的な思想がきっちりとあるため、どんな国のどんな状況でも視点がずれないというのも特徴と言えます。
☆単なる旅作家とは違う
さて今回お勧めする一冊は~
「池澤夏樹の旅地図」
池澤夏樹著
世界文化社
2007初版
この本の帯に~丸ごと一冊ナツキ旅ワールド~とあります。実際に池澤夏樹氏は「いるべきでない場所にいる、という矛盾がぼくの人生を貫いてきた。今もってぼくはそれを解決しきれないでいる。」とこの本の中で告白しています。
私など何も考えずに常に家族のいる場所が無条件に自分の居場所と信じてきました。結婚前も結婚後も、家族としての形態が変化しただけで、私のいるべき場所は極端な話、日本でも外国でも関係なかった訳です。家族あっての私で、「住めば都」で生きてきました。ですが、最近はやたらとハワイに住みたいとも感じているのも確かです。とはいえ、家族が日本の田舎にいる以上、この土地にもうしばらくは住むということは間違いないことでもあるんです。
池澤夏樹氏の生い立ちから、思索に満ちた旅の数々……そして実際に住んだ土地での文章には池澤夏樹氏が常に旅人~ムーミンに出てくるスナフキンのような~という立場で、でも住んだ以上はきちんと馴染んで生活を楽しむ様子が綴られています。
☆こんなスタンスで旅してみたい
私は常に家族旅行が一番好きなスタイルで、また一番幸せを感じる旅のカタチでもあります。でも、この本を読むと、自分自身が様々な理由で惹かれる土地に呼ばれるように旅していくというのにも憧れてしまいます。実際に実現は難しいからこそ、余計に憧れるのかもしれません。
特にこの本の目次そのものが魅力に満ちています。
「ぼくはこんな旅をしてきた」
「池澤夏樹の空想アトラス」
「帰りそびれた観光客」
「博物館から旅は始まる」
「楽園の曖昧な根拠」
もう目次から私の妄想、空想の世界は広がりっぱなしでした。池澤夏樹氏という作家がどんな人か本当によくわかると同時に、この方の思索の旅をご一緒したいと強く思わせる内容です。写真の数々も絶対に見逃せません。池澤夏樹氏自身が撮影した写真の他に、垂見健吾(椎名誠氏のタルケンさんでしょうか)などなど、モノクロな写真さえも想像力をかきたててくれます。
ただ、対談形式は私にはちょっと読みにくかったかもしれません。池澤夏樹氏の言葉だけ、文章だけの紀行文の方が個人的には好きです♪とは言うものの、池澤夏樹氏の世界観、旅エッセイの体裁、作家としての姿勢、生まれた土地や旅した場所や住んだ場所への文章は本当に素晴らしいのひとことです。
こういう考え方、人生の過ごし方があっての「ハワイイ紀行」ということを踏まえてもう一度読むと、まるで自分自身が一緒に世界中を静かに考え事をしながら思索の旅に出ているような錯覚におちいります。
池澤夏樹氏のように語学力も備わった、また文化にも深い理解を持った母さんになれば、もっと「国際井戸端会議」は有意義なものになるに違いないと思います。
「異境の書架」のページでは、池澤夏樹氏著作全ガイドが紹介されています。なんと68冊……かなりの著作は読了したつもりでしたが、小説群(芥川賞受賞作「スティル・ライフ」を含む)は未だに読んでいないので、旅関係の著作を読んだら、一度はぜひと思います。
「ハワイイ紀行完全版」と共にこの「池澤夏樹の旅地図」はお勧めしたい一冊でございます。
☆今日は地中海な気分
オススメ料理コーナーは……池澤夏樹氏が一時期ギリシャにお住まいだったということで、オリーブオイルを使ってカルパッチョを作ってみました。読者の皆様には大変恐縮ですが、私のブログの「祝♪卒業♪家族で外で晩ごはん」の記事の写真と合わせてご覧いただけると有り難いです。
♪CESARI風ヒラメのカルパッチョ
ナポリ料理中心、またナポリピッツァ世界一のお店「CESARI」のカルパッチョがものすごく美味しかったので、私のカルパッチョとどこが違うか私なりに研究して真似してみました。
*作り方
ヒラメはとにかく薄切りにして、お皿に並べて薄く塩をふって冷蔵庫で馴染ませます。ミニトマトは半分か四つ割りにします。CESARIのカルパッチョはどこかフルーティ、うっすら甘味が感じられましたので、瀬戸内レモン果汁にほんの少しの蜂蜜を入れ、よく混ぜます。ミニトマトの中にレモン果汁を入れてエキストラバージンオイルを入れて混ぜ合わせて冷蔵庫で馴染ませます。食べる直前にお皿の周りに柔らかいレタスの千切りで飾って、ヒラメの上にミニトマトのソースをかけて、さらにオリーブオイルエキストラバージンオイルをさっと振りかけて、出来上がりです♪
我が家の評判は上々でした。白身魚の他にサーモンなどもお勧めできる食べ方です♪ぜひお試し下さいね!(b^ー°)
今回はここまでです。最後まで読んで下さって有り難うございましたm(_ _)m読者の皆様に感謝しますm(_ _)m
MAHALO!