ニコご訪問ありがとうございます!
お願い

🇬🇧アーノルド・J・トインビー
Arnold Joseph Toynbee

【1889 - 1975】


「新しい文明を生み出し、それを支えていくべき未来の宗教というものは、人類の生存を、今、深刻に脅かしている諸悪と対決し、これらを克服する力を、人類に与えるものでなければならない」


アセアセ新型コロナ🦠の脅威が続くなか、緊張が高まるウクライナ情勢…その他、核兵器、経済、人権、環境などなど、僕たち人類には、先が見えない問題が山積しています魂


果たして人類は、憎しみ、争い、苦しみ、分断されるべく生まれてきたのか…かつて、歴史家トインビーは、人類の歴史を俯瞰し、人間を主体者とした「挑戦と応戦」を訴えました。


つまり、"自然をはじめとする環境、人的災難という試練に対して、その挑戦に屈服せず、雄々しく応戦しゆく、たくましい社会から、新しい文明が生み出される"と。



ウインク歴史のゆくえを根底で決定づけるのはウイルスでも、環境でもなく、あくまでも僕たち人間にほかならないと信じたいグー


想像もしなかった事態の連続で戸惑い、ネガティヴな出来事に目が向きがちになりますが、危機の打開を目指すポジティヴな動きを希望の光明キラキラとして捉え、その輪を皆で拡げていくことが大切ではないでしょうか。


今日は、"ヨーロッパ統合の父"と呼ばれるクーデンホーフ・カレルギー伯爵と池田大作創価学会会長との対談を振り返り、世界の平和と人類の幸福への思索を深めたいと思います!おーっ!



クーデンホーフ・カレルギー
×
池田大作

対談日程:
1967年(昭和42年)10月30日
1970年(昭和45年)10月7日、
17日、25日、26日


🇦🇹リヒャルト・ニコラウス・エイジロ・
クーデンホーフ=カレルギー
Richard Nikolaus Eijiro Coudenhove-Kalergi
【1894 - 1972】

(日本名:青山 栄次郎)身位:伯爵。日本人を母とするオーストリアの国際的政治活動家。汎ヨーロッパ連合主催者。レジオン・ドヌール勲章、勲一等瑞宝章他。カトリック教徒。



カレルギー
「私が一番大事だと思っているのは、日本が先頭に立って、平和への理想を実現していくべきだということです。

世界の多くの国が、次の戦争に向かって準備をしております。

そのなかにあって、日本は、世界有数の経済力をもち、そして、世界に類例のない平和憲法をもっています。

また、近代に至るまでの300年間、日本には国内でも、また、外国とも戦争がなかった時代があります。

これは、平和の一つの先例といえます。

さらに、現在の日本の文化には、西洋の文明、儒教、仏教が融合しています。

これらを考えると、日本は世界に対して、平和への指導力を発揮していかなくてはならないというのが、私の考えです」

池田
「大事なご意見です。全く、その通りであると思います」

カレルギー
「創価学会の仏教の復興の運動は、全世界にわたるものでしょうか。それとも、日本の国だけのものなのか、どちらでしょうか」

池田
「もちろん、日本だけではありません。

日蓮大聖人の仏法の哲理をもとに、全世界の平和と人類の幸福を実現していくことが、私たちの目的です。

万人が、『仏』という尊極無上の生命を具えていると説く、仏法の生命尊厳や平等の哲理、また、『慈悲』という考え方は、世界の平和を築き上げるうえで、必要不可欠なものです。

このヒューマニズムの哲理を、人類の共有財産として、世界に伝えゆくことこそ、私ども創価学会の使命であると考えております」

カレルギー
「そうですか。よくわかりました。実は、創価学会に対して、民族主義的であるとか、国家主義的であるといった批判を、よく耳にするんです」

池田
「日蓮というと、国家主義、民族主義のように思っている人がおりますが、それは、本質を見誤っています。

日本の、いわゆる日蓮主義者たちの、誤った日蓮仏法の理解や言動から、そうした印象をつくられてしまったんです。

日蓮大聖人は、鎌倉幕府の権力者を、『わづかの小島のぬしら』と言われているように、日本という国家の枠を超えて、広く人間の幸福を考えておられた。

あの鎌倉時代に、仏法を『閻浮提に広宣流布せしめんか』と仰せになっているんです。

『閻浮提』とは全世界の意味です。

それは、一国家にとらわれた偏狭な発想とは、全く違います。

学会は、その御精神のままに、世界に仏法のヒューマニズムの運動を広げてまいりました」

カレルギー
「私は、創価学会の運動が、日本という一国家の民族主義的な運動ではないことが確認でき、大変に嬉しく思います。学会は世界に大きく貢献できるでしょう」


池田
「仏法というのは人間と宇宙を貫く、生命の永遠不変の法則であり、また、人類の平和と幸福を実現するための指導原理といえます。

したがって、現代科学とも、決して矛盾するものではありません。

むしろ科学技術をリードし、人間の幸福に寄与するものにしていくための哲学が仏法なんです。

私たちの運動は、その仏法によって、人間自身の変革、つまり、人間革命をめざすものです。

人間は、社会の担い手であり、創造の主体者です。

ゆえに、その人間の生命、精神という土壌を耕していくならば、社会も変わっていきます。

そして、陶冶された人格、生命の大地の上に、豊かな平和、文化の花を咲かせようというのが創価学会の運動です。

いっさいを育む人間の精神に、生命に、眼を向けよ ー それが私たちの主張です」

カレルギー
「大事なことです。私は、仏教の、時代を超越した、科学と矛盾することのない、普遍妥当性を信じます。

創価学会による日本における仏法の復興は、世界的な物質主義に対する、日本からの回答であると思います。

これは、宗教史上、新たな時代を開くものとなるでしょう。

あなたは、常に非難中傷されながら、日本中の、いや世界の、実に多くの敵と戦っていることを、私は知っています。

しかし、偉大な人というのは、皆、そうです。

ただ、あなたの場合は、その敵でさえも、あなたが、天才的なリーダーであることを認めざるをえません」

池田
「今、私が、世界の多くの敵と戦っていると言われましたが、イデオロギーや宗教が異なっているからといって、私にとっては、本来、敵ではありません。

もちろん、暴力やテロは絶対に悪ですし、民衆を支配し、隷属化させる権力とは、どこまでも戦います。

しかし、人間の幸福、救済をめざす思想、宗教には、本来、人間を尊重するという共通項があります。

それがある限り、必ず通じ合い、共感し合うはずであり、相互理解は可能であると思います。

さらに、仏法で説く、万人が等しく『仏』の生命をもっているという考え方は、人間を貫く、内なる普遍の世界を開示するものといえます。

人類がそこに着目し、人間の共通項に目を向けていくならば、分断から融合へと発想を切り替える、回転軸となっていくと確信しています。

また、宗教の違いによって生じた文化的な差異は、違いを認めるというだけでなく、むしろ尊重すべきです」



カレルギー
「第三次大戦の回避は、なんらかの精神運動によって、人種、宗教、イデオロギー、国籍などによるあらゆる違いと対立を超えて、人類の共存と相互信頼の重要性が徹底された場合にのみ可能だと思います」

池田
「私が主張する思想的条件とは、まさにその精神的な運動のことです。

共存への機運がいかに高まったとしても、国家間の対立を止揚(Aufheben)するものがなければ、第三次大戦は阻止できないかもしれません。

この、あらゆる対立を超えさせるものを、人類の精神の中に構築しなければならないと思います。

…つまり、地球民族としての普遍的な精神を打ち立てなければならないと思います。

あなたのパン・ヨーロッパ主義(Pan-Europeanism)運動が果たした役割も、そこにあったと思うのです。

私は、パン・ヨーロッパ主義は、やがて全人類を含めたインターナショナリズムへのワンステップとなるべきものと考えるのですが」

カレルギー
「おっしゃる通りです。大事なことは、偉大な思想を日本が外国に向かって、世界に向けて紹介することです。

私は、その時が、すでに来ていると信じます。

その偉大な思想とは、インドに起こり、中国を経て、日本で大成した、平和的な、生命尊重の仏教思想です」

池田
「それは、私自身、これまでも真剣に取り組んできた問題です。

これからも、生涯の念願として、世界の平和のため、人類の幸福のために、微力を尽くす決意でおります」




『新・人間革命』第12巻
より抜粋

参考文献
⚫︎『文明・西と東』クーデンホーフ・カレルギー × 池田大作共著、産経新聞社出版局編
⚫︎『パン・ヨーロッパ』クーデンホーフ・カレルギー著、鹿島守之助訳
⚫︎『戦争から平和へ』クーデンホーフ・カレルギー著、深津栄一訳
⚫︎『実践的理想主義』クーデンホーフ・カレルギー著、鹿島守之助訳
⚫︎『クーデンホーフ・カレルギー回想録』鹿島守之助訳
⚫︎『美の国 ー 日本への帰郷 ー 』クーデンホーフ・カレルギー著、鹿島守之助訳
⚫︎『クーデンホーフ・カレルギー伝』鹿島守之助編著
⚫︎『第一回鹿島平和賞受賞の記録』鹿島平和研究所編著
⚫︎『クーデンホーフ光子伝』木村毅著
⚫︎『ミツコと七人の子供たち』シュミット村木眞寿美著
⚫︎「東京新聞」1967年9月23日付夕刊


🌐SGI


🇨🇭ジュネーヴ



🇬🇧ロンドン郊外


🇰🇷ソウル


🇦🇷ブエノスアイレス


🇷🇺モスクワ


🇯🇵信濃町