世界的な🦠コロナ禍の中、先月、うちは家族が相次いで手術になりました。
医療関係の方々には申し訳ないやら、ありがたいやらで…
さて、コロナ自粛の影響により「CO2排出量が低下」と良いニュースがありました。しかし、今後は、むしろ地球温暖化への「リバウンド」が懸念されています。
仏教の最高法典📖『法華経』には、「依正不二」と説かれます。"依正(依=環境、正=人間)は不二である"つまり、環境と人間は切り離せない。
環境を人間が作り、環境が人間を作る。一人一人の思考と行動が、未来の地球を作る、まさに"責任時代"が明確になってきました。
その清廉な精神を育んだ幼少期には、素朴ながら、素晴らしい自然環境があったようです
三菱UFJフィナンシャル・グループ
取締役 執行役員会長
平野 信行さん
●(ひらの・のぶゆき)
1951年、岐阜県生まれ。京都大学卒。74年、三菱銀行入行。海外赴任などを経て、常務、専務、副頭取などを歴任。2012年、三菱東京UFJ銀行頭取、13年、三菱UFJフィナンシャル・グループ社長に就任。19年から現職。
【夏草の香り】
私は、岐阜県各務原(かかみがはら)市の生まれで、昔はまったくの田舎でした。木曽川のほとりに家があり、対岸には、国宝の犬山城(愛知県)が見えました。
木曽川と国宝「犬山城」
自然に恵まれていたので、夏は友達と川で遊び、カブト虫が群れをなすような"秘密の場所"で、昆虫採集にも興じました。
今でも、夏草の香りを感じ、川の流れの音を聞くと、ふと幼い頃の思い出が脳裏に浮かびます。昔の話をすると、いくらでも続けられます(笑)。
【半年間の不登校】
中学からは、名古屋にある私立の進学校に、往復3時間かけて通いました。「生涯の友」といえる親友たちにも巡り合うことができました。
東海学園
多感な時期で、高校2年生の頃から半年間ぐらい、今で言う"不登校"になったこともありました。家を出て、名古屋までは行くのですが、ふと面白くないと感じて、よく図書館に行っていましたね。
そこで、さまざまな書籍を読みました。小林秀雄やベルクソン、世阿弥などを手当たり次第に読んで、「生きるとは何か」みたいなことを、一生の中でも、一番深く考えたかもしれません。
批評家・小林秀雄 (1902 - 1983)
成績が急落して、友人たちは相当ハラハラしたようですが、学校は「何かやりたいことがあるんだろう」と、家族に伝えず、温かく寛容に見守ってくれました。半年近く悩みましたが、最後はどこか吹っ切れて、学校に戻りました。
【父の挫折、再起】
父は地元で材木の卸業を営んでいたのですが、実は、私が中学2年生の時、不況の影響を受けて、倒産しました。
このことは、父だけでなく、家族にとっても大変な試練でした。母から、「差し押さえがくるから、学用品だけまとめなさい」と言われました。
これから一体、どうなるのか、不安にかられましたが、父も母も、「お前たちは、勉強すればいい」と、気丈に振る舞ってくれました。
家族で力を合わせて、その後、危機的な状況は乗り越えることができましたが、父は数年間、どういう道へ進むべきか、モンモンとしながら過ごしていました。その姿から、非常に苦悩しているのがよく分かりました。
父から学んだことは、私にとって、かけがえのない「心の宝物」かもしれません。
【銀行の道へ】
元々、美術や音楽が好きで、大学受験の時に志望していたのは、文学部の美学でした。家族の意見もあり、受験の直前まで進路を迷いましたが、結果的に法学部に進みました。
その後も、芸術への関心が薄れることはありませんでしたが、一方で、社会科学を勉強する中で、社会の今後のあり方や、日本の経済などについて深く考えるようになりました。
幅広い分野に関われること。また、日本の産業が海外進出、グローバル化を図っていくことを見通し、「金融」という進路を考えるようになりました。
産業だけでなく、家庭や個人の生活に関わる家計、また国に関わる財政。「金融」は、これらを支える「血流」ともいえます。そこに、自分の身を置いてみたいと考え、銀行の道を進みました。それが、きっかけですね。
【銀行員の原点】
最初の3年間は、東京の大手町で仕事を始め、銀行員としての基本を身に付けました。実は当時、事務処理が苦手で、「本当に銀行員?」と疑われたこともありました(笑)。自己嫌悪の日々で、辞めたいと思ったこともありました。
私にとって、本当の意味で、銀行員、また金融に携わる人間として、「原点」となったのは、蒲田支店(東京都大田区)に勤務した時でした。
ご存知のように、大田区は、中小企業が集積する街です。特に、私が担当していた地域は、戦後、焼け跡の中から立ち上がった、たくましい中小企業の経営者の方々がひしめいていました。数多くの企業を担当する中で、学んだものは極めて大きかった。
父が材木の卸業を営み、苦労した姿を見ていたので、中小企業の経営者の方々の苦労や気持ちも、よく理解できました。
自分自身で起業し、成長させ、後世に伝えていくという、大変重要なミッションを持っておられる。そういう意味で、経営者の方々の一つ一つの言葉は重たかった。銀行員としての責任も痛感しました。
各企業が持っている強み、そして経営者が信ずるものは何か。何を求めておられるのか ー 経営者と日常的に対話をする中から、夢を共有し、かつ課題を認識して、それに対する解決策を金融機関にご提供する。その大切さを学びました。
【海外へ】
32歳の時、ニューヨークのモルガン・スタンレーに研修生として派遣されました。自己実現のため、志と意欲を持ち、まさに「プロフェッショナリズム」の集団でした。
最近の言葉で言えば「ダイバーシティ」、つまり「多様性」ですね。多様な文化がひとつの場所で交わることによって、「磁場」みたいなものが生まれていました。一人一人の力を超えるような力が形成され、発揮される。そういう現場に立ち会いました。
「プロフェッショナリズム」と「多様性」。この2つをモルガン・スタンレーの時代に特に学びましたね。
【人間の創造力】
欧州三菱銀行に赴任し、ベルギーのブリュッセルに住んでいた時、妻と車でヨーロッパ各地の美術館を50以上は訪れたと思います。
世界遺産「グラン・プラス」
人間の創造力を解き放つ場のひとつが、芸術だと思います。芸術には、創造した人たちの人間性や個性、場合によっては、"魂の叫び"のようなものが込められています。
また、それぞれの芸術が生まれた、社会的なバックグラウンドを学ぶことで、より深く理解できるということにも魅力を感じますよね。
【大道と志】
孟子
「天下の正位に立ち、天下の大道を行く」(立天下之正位 行天下之大道)
正しいこと、人々の幸福を願うのが、本来の指導者のあり方です。正しい立場を貫き、最も正しい道のりを歩んでいく ー このことは、本当に難しいことです。
しかし、常に意識して、状況判断を正しく行っていく。そして理想は見失わない。そう努めることが非常に大事なのだと思います。
孟子
「志は気の師なり」(志気之師也)
「志」というのは、夢や理想、ヴィジョンです。「志」があるところに、気が漲り、エネルギーが満ち溢れる。それが、人間の正しい行動を促してくれるということです。
孟子 (紀元前 372 - 289)
ヴィジョン、行動、そして、慎重な判断がリーダーには求められます。特に、状況や環境の変化を認識し、未来を見通して、自分たちの船をどこへ向けて航海させて行くのか。
皆と一緒に考え、その先頭に立っていくというのが、リーダーとしての役割なのだとあらためて実感します。
【夢と希望を】
私自身、悩み多き青年時代を送りましたが、ある意味、最も柔軟で、可能性を秘めた時期ともいえます。
そうした時期に、若い人たちが、それぞれの才能や能力を解き放てるようにしてあげたいと思っています。
これまでの常識が通用しないような時代に求められるのは、「新しいものを創造する力」だと思います。
世の中を変えていくような「イノヴェーション」(革新)、まったく新しい独創的な発明や開発、起業、あるいは高度な専門性などが、より求められてきます。
「人と同じ」ではなく、「人と違う」多様な人材を育てていく必要があるのです。未来を担う一人一人に、無限の可能性があります。
一人一人の個性に応じた可能性を磨いていけるよう、支えていきたい。そして、試練を糧に、新たな道を共に切り開いていきたいと願っています。
『大白蓮華』2020年5月号
(聖教新聞社)より抜粋
今回の世界的な🦠コロナ禍で明らかなように、地球という環境、その環境を作り出す人間は密接に繋がり合っています。
🛰衛星画像比較
🇪🇺ヨーロッパ1月
🇨🇳中国
1月➡︎2月
🇯🇵日本
2019年➡︎2020年
"Think Globally, Act Locally"
そういう意味では、誰もが未来を開くリーダー
ではないでしょうか。
世界の青年ネットワーク
"想像してごらん"ジョン・レノンの名曲をハービー・ハンコックが、世界各国の一流ミュージシャンとコラボレーションして作成された楽曲。グラミー賞受賞。
※ お願い
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