紅葉読書週間
【10月27日〜11月9日】うさぎクッキー
1947年からスタートした読書習慣キラキラ

第2次大戦下、ホロコーストの嵐が吹き荒れるアウシュヴィッツ強制収容所には秘密の小さな"図書館"がありました。

蔵書は、わずか8冊。本の所持は禁じられていて、見つかれば命に及ぶ中、14歳の少女・ディタが図書係に選ばれました。

ディタ
「どれだけ柵を作ろうと構わない。だって、本を開けば、どんな柵も飛び越えられるのだから」

地獄のような収容所に捕われていても、本を開けば想像の翼を広げて世界を自在に飛び回れる、と。

ディタは、ホロコーストを生き抜きました。本が過酷な人生を乗り越える支えとなったといいます。『アウシュヴィッツの図書係』(集英社刊)

バルザック
「書物は戦闘よりも影響力がある」

本を自由に手にできることが、どれほど平和で幸せなことか。その喜びを噛み締めながら、本の世界の扉を開きたいですね照れ

下矢印前回は、当時のアメリカの圧力により闇に葬られていたパール判事の糾弾の書が18年の歳月を要して明らかにされました。今回は、正義と勇気の人、パール判事とは、いかなる人物だったのかに迫りたいと思います。


極東軍事裁判(東京裁判)
【1946 - 1948】


パール判事は、他の10カ国の判事たちからみると、まことに風変わりな人物であった。

彼は入廷すると、まず被告人に目礼した。そして被告席の誰かが、これに答えて目礼を返してくると、はじめて着席するのを常としていた。


 パール判事

1946年5月の裁判開始から2年半、彼は宿舎の帝国ホテルから、市ケ谷法廷との間を往復するだけで、一切の娯楽、避暑、観光旅行は取り止めていたという。

さらに着任2カ月も過ぎると、他の判事との交際も断ってしまった。ホテルの自室に閉じこもったまま、厖大な証拠書類や、参考資料を読破するのに没頭していたのだろう。時たま、東大図書館などに通うだけであった。


連合国11人の判事

殺伐な占領下の日本にあって、占領軍と意見を異にする異国の判事として、彼は、甚だしい孤独の中にあった。

彼は、あくまで法の権威と独立を守るために、卓越した法理論のうえから、また歴史についての造詣の深さから、法による真の世界平和を祈念する法学者の立場から、精魂込めて100万語になんなんとする大文章を、コツコツと綴っていたのであった。


東京裁判

故国インドでは、パール判事の妻は病んでいた。着任間もなく、重体の報を受けた彼は、一時帰国したが、老いた妻は自分の病気ぐらいで何故に帰国したかと、彼を激励して追い返したといわれている。

60歳を越えた碩学の法学者は、太平洋戦争の真因を、冷静に追求し、何が真実で、何が正義か、錯雑極まりない国際戦争の全ての経緯を識別し、誇りと自信に満ちた判決書のために、畢生の情熱を傾けた。この努力は、法学者の一つの範として、後世に輝いてゆくであろう。

それは、東京裁判の熱狂と偏見と、虚偽の仮面を被った戦勝国に対して、冷静に、正義と合理性を訴えるものであった。

もちろん彼は、単純に日本に同情したのではない。


日本軍

アジア人でなければ理解できないところのものまでも、深く洞察した果ての意見書であった。

それは、東洋的な哲理に根ざした叡智が、彼の所論の随所に、その光芒を放っているところからも証明される。

西欧近代化に発した思想が、全て行き詰まりをきたし、世界が救済の道を東洋の叡智に求めようとしている現代、東京裁判において示された、パール判事の澄んだ鏡のような厳格な理解と、その底に流れる東洋的発想は、あらためて重要な他山の石となるであろう。


東京裁判

彼は裁判終了後、国連で国際法の法典化を任務とする国際法委員となり、「世界法を通じての世界平和」の実現に、沈着な努力を続けていたように思われる。

1966年2月、80歳のパール博士は、カルカッタ大学の集会で、若い卒業生たちに、諄々と説いた。


コルカタ(旧カルカッタ)大学

「激動する世界の現状は、新しい思考方法を求める。この新しい思考方法は、ただ古い思考方法の線によって進むことを意味するものでなければ、科学的技術の方向をも、政治的目的の方向をも意味しない。

もし、人類自体の存在が問題ならば、それに対する回答は、人間のエッセンス(心髄)をもって行なわれなければならない。

諸君よ、無思想な血気に駆られることを避けるように、そして超絶の実在が、常に諸君の人生の指針であるよう ー 」


パール博士

これが、パール博士が生涯の蘊蓄と思惟の果てに、青年に与えた指針である。


つづく





ニコニコパール判事も立派ですが奥様も立派な方だったようですね。当時、戦勝国により意見書が黙殺されたのが残念でなりません雷

さて、最後にパール判事は、カルカッタ大学で、"人間のエッセンス(心髄)"という、現代の私たちにも重要なメッセージを送ってくれました。

ニコニコ次回、最終章は、人類が抜け出せない戦争・紛争の原因であり、人間一人一人にとっての不幸の原因となっている"人間の闇"を解明し、未来への曙光を探し出したい思います晴れ




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