Frank Zappa (1940 - 1993)
ザッパの音楽は、ブルーズ、R&B、ドゥワップ、ロック、ジャズ、クラシック、ディスコ、演劇、電子音楽、前衛音楽…と異常に多彩で、捉えどころの無さは、まるで広大な宇宙空間のようです。
ザッパのお気に入り作曲家
♫ エドガー・ヴァレーズ
『One Size Fits All』(’75)
の裏ジャケット
ま、一言で言えば「変態」なのですが(笑)それが奇をてらったカウンター・カルチャーに止まらないのがザッパ。
ビートルズやヘンドリックス、ボウイから小室哲哉、上原ひろみに至る偉大なミュージシャンに影響を与えてしまうところが鬼才たる所以ですね。
妻 ゲイルと
また、ザッパは独創的で優れた音楽家でしたが、その、自由な表現、歯に衣を着せない辛辣な発言は、社会的地位のある人々や組織、マスコミから批判や攻撃を受けることも多くありました。
娘 ムーンと
しかし、ザッパは、まっとうな「人間」でした。もちろん、ここでいう「人間」という定義は生物的なことではなく、精神的なことです。
下世話なテーマや下品な言葉の連発に抵抗を示す人がいるのは、やむを得ませんが💦その、赤裸々な表現、核心を突いた発言を貫く姿は、高貴ですらあります。
法廷でのザッパ
チェコのハヴェル初代大統領と
ザッパ・プロデュースのアルバムをフェイヴァリットに掲げるアメリカのオバマ前大統領
…ザッパはドラッグによる覚醒を否定し、ターゲットにされる貧困な黒人層を擁護しました。
哲学者 オルテガ
「(盲目的な)大衆とは、良いとも悪いとも評価しようとせず、自分が、皆と同じだと感じることに、いっこうに苦痛を覚えず、他人と自分が同一であると感じて、かえって良い気持ちになる、そのような人々である。いわゆる、『慢心したお坊ちゃん、お嬢ちゃん』である」
「これらの大衆は、ゆるがない運命の土台の上に足を踏みしめることがない。むしろ、宙ぶらりんの虚構を、むなしく生きている。運命の"根無し草"が、極めて軽薄な風潮によって、いとも容易に押し流されている」
「一方で、高貴な人とは、なみなみならぬ努力のあったことを意味する。努力する人、卓越した人ということになる。常に自分に打ち勝ち、自ら課した義務と要請の世界に、現実を乗り越え入っていく。それは、自分自身であるための戦いであり、努力である」
(オルテガ著『大衆と反逆』)
ザッパ
「俺は権力を手に入れようとは思わない。本当に問題なのはシステムを修正し、うまく機能するようにすることだ。今、民主主義は機能していない。教育と共に民主主義は機能する。俺たちに必要なのは教育のありようを変えてくれる"何か"なのだ」
🔻過去ブログは師匠ザッパの宇宙を支えた🥁テリー・ボジオ❗✨
🇺🇸Terry Bozzio(1950 - )
…米「ローリング・ストーン誌の選ぶ歴史上最も偉大な100人のドラマー」において第5位。
妻 Mayumiさんと
♫ Black Page
…2008年、息子ドウィージルとヴァイ、ボジオ等による追悼ライヴ。
🤔ザッパ師の言う「教育のありようを変えてくれる"何か"」とは…
大衆を聡明にすることが、民主主義の画竜点睛。
それは"何のために生きるのか"という人生の目的観に通じると思います。
人類は人類を殺し過ぎました。また命を軽視する風潮に"根無し草"のように流されてきました。
西洋哲学は帰納法で、外面的な経済や産業、制度の発展を目指してきました。やはり、それだけでは限界があります。
今こそ、内面を見つめ、人の命そのものを第1に考える"生命尊厳"の演繹法による東洋の哲学が必要な時ではないでしょうか。
核廃絶は、唯一の被爆国である日本人が叫び続けなければならない使命があると思います。
同じように、自己の生命を最高の価値基準にし、同じく他者の生命をも尊重する思想を、日本人が世界に発信し続ける以外にないのではないでしょうか。
そして、この外面と内面の哲学の融合により、ザッパの言う"システムの修正による、真の民主主義"に辿り着けると思います。
で、どうでしょう?ザッパ師匠!
ザッパ師
「フッ、かわいらしいことを言う…が」