今の政治家の区別は「右か左か」ではない。

 

 かなり以前のことになるが、元国会議員秘書の知人から、次のような話を聞かされたことがあった。

「一流の政治家というのは、決して自らは本音を言わず、相手が察するように話すんだ」

 

 すごくわかりやすい例を挙げると、決して自分からは「賄賂を寄越せ」とは言わないが、それでいて相手が「賄賂を渡さないと」と思うように誘導するといったものがそれだ。

 政治資金パーティなども、それに列する行為と言えよう。

 

 これは政治実現においても同じで、自身の本音は口にすることなく、そうなるように周囲を動かしていく。

 

 今回の首班指名選挙にかかわるさまざまな事象のなかで、玉木はそんな旧来の一流政治家のふるまいをしようとしていた風に見える。

 本音では立憲の誘いを受ける気持ちなど毛頭なく、自民との連携の中でよりよいポジション取りをしようという意識だったのだろうが、それを表立って言うことはなかった。

 ところが、それをマスコミもSNS上の一般の人々も勝手な解釈をしていろいろな憶測を巻き散らかし、そのため玉木は後手後手で言い訳をして回る羽目になった。

 そして、そんな態度は「優柔不断」と受け取られ、玉木と国民民主党の評判を下げることになってしまった。

 

 情報発信源が大手メディアしかなかった時代なら、マスコミ連中と懇ろになることで世論の誘導はどうにでもなったし、今よりもずっと景気が良くて、民衆は政治のことなど意に介さずともそれなりに暮らしていくことができた。

 だから政治家としても、政治目標を具体的に示しておいて実現できなかった時のリスクを取るよりも、密室の中で事を進めるのをよしとした。

 

 それが玉木であり、きれいごとばかりを言いながら裏で悪事を画策する左派の連中だ。

 

 そんな玉木らの真逆を行くのが高市であり、参政党の神谷代表だ。

 彼らは自らの政治行動について、すべて具体的に公言し、それはSNS上などにおいて「正直な人物」と好感を以て受け取められている。

 具体的な話をしてしまうと、それが実現しなかった時に評価を下げるというリスクもあるが、それでも実現しなければ「なぜそれができなかったのか」を明らかにするとともに、誤っていたなら真摯に謝罪もする。

 以前と考えが変わったなら、そのことも理由と共に明言する。

 

 成功も失敗もすべて正直に公開する。

 それがSNS時代にふさわしい、真の政治家と言えよう。

 

 

 今の政治家を区別するのは、本稿冒頭で記したように「右か左か」ではない。

 自身の政治目標や政治行動をオープンにするニュータイプの政治家と、昔ながらの密室政治の手法に囚われているオールドタイプの政治家なのだ。

 

 

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