個人的な感想としては、ファーストステージは混戦だったが、ファイナルはロングコートダディの鉄板というもの。
ファイナルはレインボーに何かとんでもない隠し玉がない限り、や団がロコディに勝てるわけはなく、レインボーがいつも通りの雰囲気のネタだった時点でロコディの優勝を確信した。
もちろんや団だって面白いのだけれど、それは「いつも通りの安定のおもしろさ」であり、常に革新的な笑いをハイレベルで生み出し続けているロコディが負けるわけがないというか、負けちゃいかんでしょ。
そのロコディのファイナルも、最初は静かな始まりで「あれあれ?」って感じだったけど、うさぎがシャツを脱いでブラ姿になってから拳銃を放つまでの畳みかけは圧巻のひとこと。
うさぎの演じているのが男なのか女なのか、ブラ姿になるまであいまいなまま話を進めていったあたりも巧いよなあ。
文句なしの優勝だった。
ファイナルについてはそんな感じだけれど、気になったのはファーストステージ。
個人的なおもしろ度合の順は、1位こそロコディで同じなのだけど、それ以下は全然違っていた。
まずファイヤーサンダーはロコディと同じぐらいおもしろかった。
「殺人」というのが「よくない」として低得点になったのだろうが、現場ではウケていたようだし、それって審査員の保身なんじゃないのかい?
ベルナルドも、あんな低評価だったのは意味が分からん。
カメラマンの外観は地味で、誰だったか「カメラマンがもっとハデなら」みたいなことを言っていたのは確かにそうなんだけど、写真を吐き出したりとか、アイデア的にも技術的にもすごかったじゃん?
審査員全員、自分で小道具を作らないからなのか、小道具づくりについてはもっと高評価されてしかるべきだと思う。
小道具職人たるチョコプラの長田あたりがベルナルドのこのネタをどう評価するのか、ぜひ聞いてみたいものだ。
以下、ファーストステージの感想。
ロングコートダディ……「否定から入る」なんてニュアンスで勝負するあたりはかもめんたる・う大に通じるところがありながら、それをグンとカジュアルかつ笑い盛りだくさんでネタに仕上げていた。うさぎの演技力も含めて、完全にかもめんたるの上位互換と言えそうだ。
や団……なんであんなに高得点だったのか、よくわからない。いくらコントとはいえ展開に無理がありすぎて、「そんなふうにはならんだろ」という思いが先に立ち、正直あんまりおもしろく感じなかった。
ファイヤーサンダー……上記の通り、個人的にはトップクラスでおもろかった。殺人じゃなく強盗ぐらいにしておけばもっと点数は伸びたのか? 「何年もネタ作りをしてきたなかで、変に過剰な方向に行ってしまった」という見方もできようが……。
青色一号……まあ思っていたぐらいにほどよくおもしろかったが、この人たちはいつもこのレベル止まりのような気も。
レインボー……池田の演じるキャラが、カーネーションの吉田すぎた。吉田好きな私としてはかなりおもしろかったが、それはモノマネのおもしろさであって、コントのおもしろさとは違うと言われればそうなのかもしれない。
元祖いちごちゃん……スリムクラブから演者の個性を抜いたような内容でイマイチ。決勝進出が発表された時点でネタを見たことがなかったのでYouTubeでいくつか見たのだけれど、そっちも「うーん」って感じ。私の好みではなかった。
うるとらブギーズ……「なんか最初から甘噛みしてるなあ」と思って見ていたら、それ自体がネタだとわかって、その瞬間はおもしろかったが、5分引っ張るようなものでもないだろう。サルゴリラの優勝した時の「サカナ」のネタの下位互換って感じ。
しずる……歌詞の口パクになっていると気付いた瞬間はある意味で感動的だったし、それをひたすら繰り返すのもバカバカしいがいいフォーマットを思い付いたなあと感心する部分が大きくて、嫌いではない。ただオチはよくわからなかった。
トムブラウン……粗っぽさも含めてオダウエダみたいでおもろかったんだけど、あれって何か月か前の千原ジュニアMCのコント番組内の企画でつくったネタだよねえ? それが決勝ネタになるあたり「他にいいコントネタがないのかなあ」なんて妙な考えがよぎってしまった。
ベルナルド……たしかにカメラマンが客に襲い掛かるあたりまでは見た目に地味に感じ「もっといいネタがあったんじゃないの?」と思ったりもしたが、カメラから口が出たあたりからはド迫力。三脚を引き千切って「なんか出た!」は今大会で一番笑ったかも。
個人的な趣味でファイナル進出者を選ぶなら以下のとおり。
1 ロングコートダディ
2 ファイヤーサンダー
3 ベルナルド
特にベルナルドの2本目は見たかったなぁ。
※松阪記念準決勝!