総武線平井駅から徒歩15分に位置する、いわゆる二郎系の「ラーメンノックアウト小松川店」。

 

 以前住んでいた亀戸のマンションからは徒歩圏内なのだが、引っ越し時期とオープンが相前後して、結局行かれず終いだった。

 それで気にかかっていたのだが、先日の夕方6時過ぎ、ようやく訪れる機会を得た。

 先客は1名。

 いろいろと限定メニューが告示されていて、逆に「一品ごとのクオリティが低いんじゃないか?」なんて懸念もあったのだが、暑い中をわざわざ歩いてきたのだからと、とにかく入店してみた。

 

 なんとなくの前情報で「汁なし」がいい、みたいなことを聞いた覚えがあったので、それを頼んでみた。

 食券を渡した時点での先コールで、にんにく、アブラ中、野菜普通をオーダーしたのだが、その際、いかつい風貌の店主(おそらく)とチャラい若者風の店員は、見た目に反してめちゃくちゃ丁寧&笑顔を絶やさない接客態度。

 紙コップとプラコップ、普通の箸と割りばしの両方がそろっているあたりも、客への気遣いが行き届いているようで気持ちいい。

 

 で、肝心の味はというと、これがめちゃくちゃ美味だった。

 ゴルフボールを一回り大きくしたぐらいの塊肉は一見すると食べ難そうで、一瞬ぎょっとしたのだが、これが箸で崩せるほどに柔らかく、味染みもいい。

 

 ただ、私は生粋のかつお節&紅しょうが好きであり、その両方(紅しょうがは卓上の無料アイテム)が備わった汁なしだったから美味く感じただけなのかもしれない。

 

 それで本来の実力を確認すべく、間を置かずに再訪した。1週間2二郎系は人生初のことだが、前回訪問時の閑古鳥ぶりから「早々に閉店しちゃうんじゃないか」との懸念もあってのこと。

 だが、この日は夕方7時過ぎに入店すると、並びこそなかったが、まずまずの客入りだった。

 

 それで普通のラーメンを頼んでみたのだが、これがまた美味い&すごいんだ。食しながら2度「ふっw」と笑ってしまった。

 

 まずこの時の塊肉が、「なんとか形状を保っている」というような見た目からしてホロホロの状態で、まるでポケモンのモンジャラの様。食べ物の写真を撮る癖がないことを後になって後悔したぐらい、ホントに異形の肉だった。

 

 そしてスープ。天下一品を思わせるぐらいのどろどろの乳化タイプで、大コールしたニンニクを溶かすとまるでニンニクペーストの様で、これにもつい笑ってしまった。

 

 で、そのスープが衝撃的にしょっぱくて、これもいい。

 少し雑味というかわずかな苦みを感じたのは化学調味料の影響なのかな? 豚骨を煮すぎたせいなのか?

 美食ではないので詳しいことは分からなかったが、とにかく無理にマイナスポイントを探すとすればそれぐらい。

 

 本来、極太麺はあまり好みではないのだが、スープが強すぎるから、あれぐらいの麺でないと麺の存在感が消えてしまうんだろう。実際、極太麺をすすっているというのが最後まで気にならないままだった。

 

 学生時代、焼きそばにコショウをかけすぎるのを見た女友達から「店の人に失礼よ!」と怒られたことのあるぐらいのコショウ好きでもあるのだが、今回は「まずは何もかけずにそのままで」と食べ始めると、結局最後までコショウを使わなかった。

 それだけこのラーメンに魅了されていたのだろう(紅しょうがは途中でちょっとだけ使ったが)。

 

 食後、店を出てからも「麺を柔らかめで注文したらもっとおいしいのかも」「限定メニューも試してみなきゃ」などと思いが尽きることはなく、たぶんしばらくは、ノックアウト以外のラーメン店は、行くとしても近所の『しろ』ぐらいじゃないか。

 

 直系二郎は片手の指以下、二郎系というくくりでも両手両足の指の数ほども訪れていないので、大きなことは言えないのだが、私の好みで言えば、現時点でこのノックアウトが生涯ナンバーワンの二郎系ラーメン店ということで間違いない。

 

 味はもちろん、メニューの豊富さ、店員の接客態度の良さなど行きたくなる雰囲気が過不足なく整っている。

 

 駅からの徒歩15分という距離も、有名人気店で行列する時間をウォーキングに回したのだと思えばどうってことはない。

 

 

 ※競輪は松戸ナイターGⅢの2日目。いい車券あるよ?