横綱、大関級が不在の印象もあったが、決勝に勝ち上がったさすらいラビー、スタミナパン、豆鉄砲はそれぞれ持ち味を活かしていて良かったんじゃないかな。

 優勝の豆鉄砲、先日のワタナベお笑いNO.1決定戦で変な感じだったのはたまたまそういうネタだっただけのようで、ちゃんと自分らしさを伸ばした上質なマンザイをやっていた。

 

<Aブロック>

・ネコニスズ……赤ちゃんキャラがこなれていて、以前よりも見易くなったが、やっぱり「それでいいの?」って気持ちをぬぐい切れない。

・サンダル……「母親を守るため」ってのが結構早い段階で読めてしまい、だったら空気階段の似たネタのほうが変で良かったよなあ、と。

・サルベース……事前VTRでダチョウ倶楽部へのあこがれを語っていた割にはふつうで破綻のないコント。「今やろうと思っていた」を軸にした発想自体は悪くないが、それぞれのキャラも含めてインパクトは薄い。

・二代目ちくわぶ……「音」における自力の割合がテレビを通した音声だとよくわからず、ピンとこなかった。音源使用であれなら、どうってことなさすぎなんだが。

・スタミナパン……おもしろかったけど軽く流したような印象もあった。

※「負けても仕方ないかな」と思ったスタミナパンの勝ち上がり。まあ相対評価なら確かにここが一番だったとは思うが、同時に「これでよくダブルインパクトで決勝まで勝ち上がれたなあ」とも(もちろんネタは違うんだろうが)。

 

<Bブロック>

・群青団地……部分部分はおもろいんだけど、なんかバタバタしているというかネタの練り込みが足りないというか。

・ヒガ2000……ヨネダ2000とかダウ90000とかが先に世に出ているなかで、よくこの芸名でやってるなあとバッタもん臭さを感じたが、ネタは思いのほか良かった。服装のうさん臭さとかもよくて、同じ歌ネタのピン芸人ということだと、R-1チャンプ友田オレよりはこっちのほうが好きかも。

・レインマンズ……発想自体はおもろいんだけど、車と顔が言うほど似ていなくて、トータルではピンとこなかった。ネタ作りの才はありそうなのだが。

・豆鉄砲……以前から知っている豆鉄砲をしっかり強化した風で好印象。

・めぞん……上手くもなければおもしろくもなく、劣化コマンダンテみたいな印象でイマイチ。

※ヒガ2000か豆鉄砲のどっちかかな、と見ていたら僅差で豆鉄砲の勝ち上がり。

 

<Cブロック>

・ツンツクツン万博……おもろいけど、ずいぶんと軽い調子のネタで、これまでと比べるとどうなんだろうと。

・徳原旅行……途中で一瞬寝落ちしてしまい、ちゃんと見られていないので感想はパス。

・ぎょねこ……これもぼんやりした状態で見ていたので評価は避ける。ハンドベルのネタは前にどっかで見た記憶もあるが。

・さすらいラビー……ここまではボーっとしていたが、おもしろそうではあった。

・金澤TKCファクトリー……昨年よりは明るくなったようにも感じたが「街裏ぴんくから熱量と奇抜さとおもしろさを減じた感じ」という印象に変わりはない。

※さすらいラビーは能力の割に評価の低いコンビだと以前から感じていたので、勝ち上がりは良かったなあと。

 

<決勝>

 どの組も良かったんだが好みでいえばさすらいラビーかなあ。知恵原さんのくだらなさはキャラ立ちしそう。ただ、もうちょっと「知恵」がマニアックで深いもののほうが良かったのかも? いや、安い雑学だからいいのか? この辺は舞台状況によって変えていっていいのかも。

 

 スタミナパンは持ち味全開。もうちょっとトシダがキャラ立ちしてくると、もっとウケるようになるのかも。今段階だとルックスが普通のおもしろくないオジサン風だから、宣材写真の舌出しとの違和感も大きく、「何? この人?」と嫌な感じが先に出てくるので。見た目にもう少し何かしらの遊びがあるといいんじゃないかなあ。

 

 豆鉄砲は上記の通り。

 大会全体でみると、やや停滞感というか新規の才能には乏しいようにも感じたが、決勝3組は良かったので今後の活躍に期待したい。

 さすらいラビーとか同じ太田プロなんだし、『有吉の壁』あたりに積極起用していけばハネるような気もするのだが。