きのう、九段下で打ち合わせを終えると、ちょうど昼時。

 午後の予定は空いていたので、思い立って「レベルの高い合格点を超える二郎をオールウェイズ出してくれる」でおなじみの神田神保町ラーメン二郎へ行ってみた。

(2) レベルの高い合格点を超える二郎 オールウェイズ出してくれる - YouTube

 

 並びはきちんと数えてはいないが15人前後といったところか。

 結局、席について食べ始めるまでに1時間ちょっとかかったのかな。 

 1時間強という待ち時間がこの店として長いのか短いのかはわからないけれど、仕事用の資料を読んだりしていたので、さほど「待たされた」感はなかった。

 

 並んでいる途中、店員さんから麵量を聞かれて「小」というと、「ウチの店は量が多いですけど」といわれ、この多いというのが一般的なラーメン店と比べてのことなのか、それとも他の二郎の店舗と比べてのことなのかはわからなかったが、しっかり腹も減っていたので「かまいません」と伝えた。

 

 ほかの客とはこういうやり取りがなかったので、私が初見だと見抜いたということなのか?

 最初、並ぶときに並び場所を間違えたので(店から離れたほうが最後尾だと思って並ぼうとした)、それを見られていたのかもしれない。

 

 ともかく席について調理の様子をながめていると、店主は柔和な笑顔で愛おしそうに、撫でまわすようにして肉を切っていた。

 茹で上がった麺を並べられた丼に分けていく際には、「麺少なめ」「麺半分」といった注文に応じて少量の麺を箸でつまみ上げて他の丼に移すという作業を何度も何度も繰り返している。

「肉1枚で」と注文が入ると、今度は「どの肉を入れようか?」と迷いまくっている。

 

 ふだんの私なら「何をタラタラやってるんだ」と文句の一つも口をつきそうなものだが、なんだかこの店主、「本当にラーメンが好きなんです」みたいな雰囲気が全身からあふれているようで、まったく憎めないどころか、提供までにいろいろといじりまわしている様子を愛おしくすら感じた。

 

 そうして食べ始めると、これが「レベルの高い合格点を超える二郎」なのかはわからないけれど、正直、味のレベルとしては直系以外の二郎系、最近行ったところだと本八幡・長次郎系列の小岩なんたらブッチャーズとかいう店と大差ないように思う。

 

 というか、味がどうこうという以前に、私には量が多すぎた。

 

 ふだん二郎系の店だと、麺は茹で前300gで野菜ノーマルというのが心地よい腹一杯の限界値なのだが、この神保町二郎では途中で腹パンのリミットに達して、本気でギブアップ宣言しようかと思うほど。

 肉2枚を片付けたあと、野菜の下からもう1枚出てきたときには絶望感すら覚えた。

 おそらく、中ぐらいの大きさの肉2枚で大肉1枚の換算だったのだろうが、大肉1枚だけでも他店の肉量を凌駕しているので、私からすれば肉3枚どころか肉4枚分にも感じられた。

 

 麺も、「少なめ」や「半分」の丼からチョビチョビと移されるうちに多めになっていたのかな。

 

 6人で案内されたうちの4人が食べ終わって店を出ようとする時点で、まだ私の丼には肉半欠片と、麺3啜りぶんぐらいが残っていて、「これがいわゆるロット乱しというヤツか」と焦りが生じ、スープをすすったり、卓上にあった粗挽き唐辛子を試すなどして味を楽しむ余裕もなくなっていた。

 

 「吐け」と言われれば余裕で大ゲロを吐けそうな状態だったが、あんなに楽しそうにつくってくれた店主の気持ちに応えるためにもなんとか食べ切りたい。

 まだ同じロットで1人残っていたことを心のよりどころに食べ続ける。

 もともとの私自身の信条としても「食べ物を残すことは罪だ」というのがあって、麺の1本、もやしの1本、大振りの脂粒までもしっかり食べ切ってスープにほとんど何も浮かんでいない状態にして帰るのが常だったが、今回はそこまではできず、それでもとりあえず「食べ切った」とは言えるぐらいの状態にまでして席を立った。

 

 店を出て「もう二郎なんて二度と来ねえ!」という二郎初心者の誰もが思うベタな感情が浮かんできて、「あー、これこれ。これが二郎本来のあり方なんだ」と。

 

 旨いとかそういうことじゃない。

 バカみたいな量のバカみたいな食べ物と格闘しながらバカみたいに腹いっぱい詰め込む楽しさ。

 

 そんな二郎の魅力を改めて感じさせてくれた。

 まあ、その楽しみは若い人たちに任せて、並ぶのが嫌いで「麺少なめ」などと減量の申告することももったいなく感じる貧乏性の私が神田神保町二郎へ行くことは二度とないとは思うのだが。

 

 と言いながらまた行くのが二郎の魔力? どうなんやろね。

 以前に「じつは二郎好きじゃないかも」とこのブログに書いていながら、なんだかんだで月イチぐらいは二郎系の店へ行っているわけだし。

 

 

 

※とにもかくにも、競輪も当たったし、いい一日でした。