「現役世代を優遇せよ」というのはわかる。

 ただし、少子化の大きな原因は「いまカネがない」ということよりも「将来の不安」のほうが大きいはずだ。

 一部大手企業は初任給30万円なんて話も耳にするし、実際、ウチの長女も結構裕福な様子だが、子育てとなると今の給料以上に、「10年後、20年後にいくら稼げるのか」「いつまで安定して稼げるのか」ということが大きな問題となってくる。

 

 「若者優遇」も大事だが、将来まで稼げる枠組みづくりのほうがもっと重要で、日本の高度成長期には「年功序列」が給与にも反映されていたからこそ安心して子どもをつくり、育てることができた。

 

 そういう社会をつくろうという声が政治家から聞こえてこないのは「選挙の票稼ぎのため、とりあえず今だけしのいでおけばいい」という考えがはびこっているからだろう。

 

 

 将来まで稼げるとなると「流行りすたりに左右されない、いつまでも社会から必要とされる仕事に就く」ということを考えねばならない。

 

 数年前までもてはやされていたコンサル業が、すっかり落ち込んでいると聞く。

 長女の勤める会社でも、コンサル部門は仕事が激減していて、多くの部員はやることがないから資格取得の勉強をしているのだとか。

 

 一時期は「東大生の人気就職先ナンバーワン」とまで言われたのに、この始末だ。

 

 弁護士やらなにやらのいわゆる「士業」も、遠くない将来、AIに取って代わられるのではないかと言われている。

 

 あなたが今やっている仕事は、本当に将来にわたって必要とされる仕事なんですか?

 

 そう考えたとき、本当に必要な仕事は第一次産業しかなく、第二次産業でもいくらか怪しい。第三次産業などはあってもなくてもいい仕事としか言い様がない。

 

 そんな浮草のような仕事で禄を食んでいる若者たちを「現役世代だから」と優遇したところで、いざ子どもが大きくなって本当にお金が必要となったとき、ちゃんと仕事ができているんですかねえ?

 

 

 

 ※けっ…、けっ…、競輪は必要だよ!