Aブロック
マルセイユ……最初のおじぎがすごくキレイで好印象。2022~2023あたりにやってたパターン漫才は捨てたのか? それで別府の以前からやっていた「すぐそうやって言う」のギャグを引っ張り出してきて、ちゃんと前よりもおもしろくなってるんだから立派なもの。よほどの研鑽を積んだのだろう。
スタミナパン……キャバクラネタは昨年M-1の3回戦とかでやったやつだっけ? それを言ったらマルセイユのネタも過去に見た記憶がうっすらあるのだけど、スタミナパンの場合はインパクトが強すぎて印象が強く残るから「同じネタやってる」っていう思いが強くなりすぎてしまう。ライブならそれでも楽しめるが、賞レースだと逆に弱点になるのかも。おもろいのはおもろいんだけどね。
ひつじねいり……ラグビーのネタ。これも去年のM-1だったか? 彼ららしくおもしろかった。
Yes!アキト……途中で睡魔に襲われて寝落ち。もともとあまり好きでもないので再チェックはせず。
キャプテン・バイソン……ネタ途中で目覚めるが、アンダー5と同じネタならこれも再チェックはなし。
マルセイユが一番おもしろく感じたけど、芸歴があるぶん、他に負けるかなと思ったら、ちゃんと勝った。へーって感じ。
Bブロック
ポテトカレッジ……ネタもキャラもキモすぎるんだが、案外と嫌いではない。今回の臭いを嗅ぐネタだと、アタマを引っぱたくぐらいではまだキモさが勝るので、いっそグーパンチツッコミぐらいやったほうがいいんじゃないか。女の子があの男を殴るぶんにはギリギリ世間から許される範囲だろう。
えびしゃ……「入れ」と「帰れ」ってのはいい目の付け所で、もうひと展開あれば、と思ったのだが……。
素敵じゃないか……動物あるあるも薄かったし、なんか雑く感じた。動物語翻訳っていっても、実際過去にバウリンガルとかあったわけだし。
群青団地……「しゃべりが聴き取れない」ネタはえびしゃとの被りで、その結果、群青のネタを見て「えびしゃ、おもろかったんだなあ」ってなってしまった。
ネコニスズ……嫌いじゃないが、変なボケに強烈なツッコミってだけだと、どうしても新味には欠けるわなあ。
他がイマイチということはあったが、群青団地がなにか別のネタをやっていたなら、えびしゃの勝ち上がりはなかったかも。ネタの後先については、えびしゃが後でも群青に勝っていたとは思うが。
Cブロック
ツンツクツン万博……アンダー5のネタ。その時に「恵方巻が垂れさがると不安に感じるから芯を入れたほうがいい」とアドバイスしてたのはチョコプラ長田だったか。ちゃんと直してたのは好印象。なお、ほかの誰かの「リーゼントから恵方巻に変える理由付けがあれば」というアドバイスについては特に修正がなかった模様。
センチネル……トミサットはちょっと発声が聴き取りづらいので、もうちょっとゆっくりしゃべってもいいのでは。ネタの内容も含めてなんらかの微修正をしていけば格段におもしろくなりそうな気はする。
金澤TKCファクトリー……現段階だと、街裏ぴんくから汗と奇抜さをマイナスした感じ。長年やっていれば味が出てくるのかなあ。
豆鉄砲……おもしろくなくはないけど、一昨年のワタナベナンバーワン優勝の頃からさほど変化がないことを物足りなく感じてしまう。「東のぐろう」みたいな?
エバース……野球ひじからの序盤は「あれあれ?」って感じだったが、しり上がりにおもろくなっていって最後は爆笑。できのいいM-1漫才。
まあ文句なしにエバースでしょう。
決勝は、エバースが1本目同様にしり上がりにおもろくなる作品性の高いM-1漫才。マルセイユはちょいドタバタしながらもギャグを畳みかける寄席漫才。どっちも良くって、それでも賞レースならエバースかなと思ったら、優勝はえびしゃ。
(えびしゃ4 マルセイユ4 エバース2で、視聴者票を獲ったえびしゃの優勝)
えびしゃ決勝の格闘ゲーム風ネタは最近どこかで見た覚えがあって、今年のワタナベナンバーワンかと思ったら、彼ら決勝に出てなかった。じゃあどこで見たんだっけ? ネタパレ? ちゃっぷりん?
私は2度目だったぶんあんまりだったが、初見なら発想のおもしろさもあって、高評価になるのも当然か。
個人的にエバースは大好きなんだが、従来の漫才の形式であるには違いなく、えびしゃのように若い才覚で新しい境地を拓く存在は大切だものなあ。