私の経済に関する知識のほとんどは、高橋洋一のYouTubeチャンネルの受け売りである。
だから基本的に高橋洋一の言説は信用している、というか経済の動向に関しては高橋に寄った考え方しかできない。
それが恥ずかしいことなのかどうなのかもよくわかっていない。
ただここ半年ぐらい、高橋の解説自体は信頼していても、そこから導かれる答えに関しては少々違和感というのかなあ。
疑いの念が生じているのも事実だ。
たとえば「円安は日本経済にとってプラス」という話。
理屈としてはそうなのだろう。
企業や政府にとっては確実にプラスになる。
実際、トヨタ自動車なんかは日本初の営業利益5兆円なんて話もあるようだし。
ハイブリッド車好調円安も追い風に トヨタ 日本企業初の営業益5兆円|テレ東BIZ(テレビ東京ビジネスオンデマンド) (tv-tokyo.co.jp)
ただ、それは高橋の言うように、本当に日本全体にとってのプラスになるのか。
儲けた政府や企業が、国民にそれを還元してくれるなら、それはプラスになるだろう。
だが現状では、「為替介入」なんて言って、米ドルを売っ払って相当な利益が出たはずなのだが、それを財務省が握って離さない。
企業の利益も、外国人株主に吸い上げられている。
日本の社会構造や、それを許してきてしまった政府のせいで、本来ならば高橋の言うようなプラスの事態であるにもかかわらず、まったく国民のためにはなっていない。
マスコミもマスコミで、知ってか知らずか円安自体を悪といい、本来ならば円安によって国民にもたらされるはずの利益がどこに消えてしまっているのかを解き明かそうとはしない。
だから高橋の理論自体も「まともな社会」なら通じるのだろうが、今の日本においてはまったく意味をなさないのではないか。
そんな風に思ってしまっているのである。