昨年末からの松本人志に関する、いわゆる性加害スキャンダル。

 さほど詳しく見てきたわけではないのだが、世間に流れる情報をざっくりと眺めた感じでいえば、これ裁判になったら松本&吉本側が完勝するんじゃない?

 別に私は「松本は清廉潔白だ」などとはみじんも思っていないが、あくまでも文春側の提示する証拠だけだと、法的に性加害をいうのは無理筋じゃないかということ。

 裁判に絶対はなく、担当した裁判官次第では「告発女性に寄り添った」判決を下す可能性もないわけではなかろうが、それでもやっぱり松本側が名誉棄損を訴えた時に、それを覆すほどの材料を文春側が持っているようには思えない。

 

 同様の証言者を山ほど用意すればいくらか文春側への心象は良くなる(というか松本側に対する心象を悪くする)だろうが、そうだとしても、文春に掲載された記事自体の証拠とはならない。

 

 で、その時に、文春の報道を理由に松本が休養したという事実があれば、そのことに対する損害賠償額として相当な金額が発生することにもなるだろう。

 

 松本の休養宣言に対しては「事実無根なら、松本は休養の必要がない」との声も聞かれるが、そういうことじゃなくて、「記事のせいでこれだけの仕事がふいになった」として高額賠償金を請求し、文春側に決定的なダメージを与えることを狙った戦略的休養のような気がするのだが、さてどうだろう?

 

 もうカネならあるし、どうせ仕事もそのうち引退するつもりだったのだから、文春に一番痛手を与えられる戦法でいこうという。

 

 もしもそういうことであれば、この出版不況を言われる時代に、もしかしたら雑誌単体どころか、本体の文藝春秋社が揺らぐほどの賠償額になることも考えられる。

 

 あと、レギュラー番組だと裁判の結果が出るまでスポンサーがつくかつかないかとややこしくなるので、そこは自粛するにしても、Xでワイドナショー出演を匂わせていたように「ゲスト」という形でいろいろと顔を出し、週刊誌批判の声を発信していくというのもあるのかもしれないし。

 

 もともとワイドナショー自体、芸能人がメディアから好き勝手に言われることへ反発して立ち上げた番組だったっけ?

 今回の松本は、それを、より具体的に自らの行動によって、なんなら「ゴシップ週刊誌をぶっ壊す!」ってところまでやろうとしているのではないか?

 

 

 私の本音でいえば、「芸能人なんて叩かれてなんぼ」というか、きちんとした芸を持っていれば叩かれようがどうしようが関係なかろうという考えなので、仮に松本が芸能メディア潰しに出たとしても、それに賛同するどころか「芸能人の驕り」との気持ちのほうが強かったりもするのだが、それはそれ。

 

 その一方で、文春を信頼しすぎな風潮へ反発する気持ちもあるんだ。

 つい半年ほど前の木原誠二の妻の件だって、結局うやむやじゃないか。

 文春には、松本どうこうよりも、まずは木原の件について、しっかりケジメをつけれもらいたいと思っている。