3日午後から放送のNHK・東西笑いの殿堂。

 私的には毎年海原はるかかなたザ・ぼんちの2組を視る番組っていう位置づけなのだが、今年はどっちもあんまりだったなあ。

 海原はるかかなたのほうは新ネタ風味で、その意欲はすごいんだけど、髪の毛芸を序盤に出しちゃったせいで尻すぼみ。ザ・ぼんちは、スタジオで演じたせいなのか、冴えなかったなあ。舞台だとまた違ってくるような気はするのだが。

 

 逆に、一切期待していなかったチキチキジョニーがかなり良く見えた。もともとの期待度が低かったせいもあるのかもしれないが、印象としてはTHE Wなら余裕で決勝進出。THE SECONDでもベスト8あたりまでならワンチャンあるんじゃないかと思うぐらいのデキに感じられた。

 

 番組通して一番良かったのは春風亭一之輔の「堀之内」で、私としてはゲロ吐くぐらいおもろかったんだが、スタジオのウケは全然だったなあ。言ってみれば古典落語のメタみたいなもんだし、ある程度落語のことを知っていないとおもろくないってことか。場の空気を読んだネタの処理具合とか最高だったんだが。

 せめて爆笑問題や中川家クラスのベテランは、教養として落語の知識ぐらいは持っておいてほしいのだがなあ(別に私も特段詳しいわけではないのだが)。

 同じく落語では笑福亭松喬の「初天神」も語り口は良かったんだが、なんでずっと目をつむっているのか(薄目?)が気になって。

 

 居眠り半分で見逃したところもあったのだが、他だと漫才だとNHKで大仁田厚ネタをぶっこんできたロケット団とか、自己紹介的なベーシック双子ネタのダイタク。あとはいかにもNHKらしい「尖ってない」ネタのナイツや、いかにもNHKらしい天才ピアニストの衣装が印象に残った。しょっぱなのロングコートダディのフルーツのネタも、自分らの持ち味を活かしつつ場の空気は壊さないいい塩梅だった。

 この5組は、自分らの立ち位置をきちんと理解している感じがよかったなあ。

 

 逆にガッカリだったのは、前日のテレ東に続き、全然やる気が感じられなかった三四郎。あと見取り図も。見取り図はなんかトラブルがあったようで出順が次の矢野兵頭と逆になったのに、そのことに何も触れずさらっとネタやって降りるとかどういうつもり? 目の前の客を相手にしていることをなんも考えていないのか。

 今の三四郎や見取り図は、いわゆる舞台芸人とは別のところを見ているのだろう。

 

 夕飯時、居間のテレビで、ただババ抜きしてる番組を流していて(毎年恒例みたいなことを娘が興味なさげに言っていたが、そうなの?)、そこでもあのちゃんが出ていた。

 

 この子すげえなあ。

 あんまり出しゃばらず、話を振られれば的確におもしろっぽいコメントを出すんだから、そりゃあ番組の作り手としては使いたくなるだろう。

 

 いろいろ総合して、年末年始で私の選ぶMVP芸人(?)はあのちゃん、ワーストは三四郎ってことになるかな。