北井佑の単騎カマシはまったく考えてなかったや。

 参ったなあ。

 

 北井佑からもまあまあ売れてたんだから、もうちょっとさあ……というのは買う側の勝手な理屈であって文句を言ってもしょうがない。

 今は「駆けられるタイミングがあれば駆ける」というレースをやりたい時期なんだろう。

 

 単なる無茶駆けではなく、北井佑がそれなりに強かったからこそ道中で他がまったく仕掛けられない一本棒の展開になったわけで、私の車券からするとかなり罪深い。

 すんなり番手なら調子イマイチとはいえ新田祐の抜け出しからのアタマは十分にあり得ることだし、あれを本命に挙げていた佐藤慎が差すとなると至難の業だ。

 4番手になった中釜章も先行意欲はあったっぽい様子であったが、先行争いの相手は藤井侑と見込んでたんだろう。

 北井佑のかかりが良くて道中は何もできずについていくのが精いっぱいで、それだからこその流れ込みだと言えよう。

 

 このところはどこからでも差してくる印象のあった東口善が中釜章との差を詰められなかったのも、やはり北井佑の先行がもたらした結果だろう。

 

 なにせ最終日の他レースと比べて決勝だけが上がりで0・5秒は違うんだもの。

 こんなハイペースでは後ろから何かできるわけがない。

 

 ちょっとずつのズレなんだけど、この差がなかなか埋まらない。

 だからこそのギャンブルなんだよなあ。

 

 くっそ。