お恥ずかしい話だが、今、歯が大変なことになっている。
数カ月前から右上の奥歯がガタガタになっていて、3日ほど前にはとうとう抜けてしまったのだが、問題はそこから。
もう10年ほど前になるか。
今回抜けた歯の手前の歯が虫歯となり、その治療で前後の歯にブリッジをかける施術をしたんだ。
そうしたら、よほどその歯医者の腕が良かったのだろう。
抜けた奥歯がブリッジのところから離れなくて、口の中でぶらんぶらんしている。
舌で転がしたり、歯ブラシで揺さぶったりしても外れる様子がない。
ふだんの痛みはないものの、抜けた歯がぶら下がっているような状態だから当然物を嚙みしめることはできない。
歯医者へ行くのが正解なんだろうが、ブリッジは3本の歯に及ぶわけで、それを治すとなるときっと大工事が必要になるんだろう。
そう考えると気が重いし、料金もいくらかかるかわかったもんじゃない。
なんとか自然と外れてくれないかなとそのままほおっておいているのだが、さて今後どうなることやら。
抜けた歯がブリッジの金具から外れたら外れたで、残った金具はどうなるのかという新たな問題もあるのだが……。
歯をブリッジから外すための荒療治&この歯の状態で食べられるのかのお試しってことで、きのうの昼には、本八幡の二郎系ラーメン店『ぶたけん。』へ行ってみた。
本八幡にはいくつか二郎系の店があって、二郎系の旨いマズイはよくわからないけれども、食した後に駅へ戻る際の曲がり角、たばこ屋の前に設置された喫煙場がとってもいい塩梅で、ぶたけん。へ訪れるのは3度目。
この店の「普通盛り(麺量300グラム)野菜普通」が私にとっては腹パンギリギリ。それ以上は食えないし、それ以下だと二郎系を食ったという一種異様な満足感には至らない。
抜けてぶらぶら状態の奥歯はこの二郎系に耐えられるのか、との不安。
なんなら食ってる最中に何かの拍子で外れてくれないか、との期待。
両方の気持ちを抱きつつ喰らってみたところ、前歯と左側の歯を主に使うことでやや固めに身の詰まったチャーシューもなんとか噛み下すことができた。
以前に同店を訪れた時よりもチャーシューが一回りデカくなっているように見え、本来ならばうれしいところだが、この時ばかりは不安が先に立つ。
それでも無事に食べることができて一安心。
そうして完食した結果、グラグラの歯はブリッジにくっついたまま……。
以前に武田邦彦だったかなあ。
「歯がダメになって物を食べられなくなることは、生物として終わった証拠」「それが本来の意味での寿命だ」なんてことを言っていて、私も「それはたしかにそうかもなあ」なんて薄っすら思っていたのだが、二郎系を完食できるのならまだ生きていてもいいってことなのかな。