この広告の物言い、個人的にはあんまり好きではなくて、というのは「中国に勝とう」なんてのはいらんのじゃないかなあと。

 別に中国がガタガタ言ってるのなんて、上から目線で嗤っていればいいじゃん、というね。

 

 ホタテやらナマコやら特定の魚介類については、大口の購買者がいなくなって困るのかもしれないが、聞くところによると中国もこれらを買って、加工した上で海外に輸出してたりするそうじゃん?

 だったら売れない分を日本で干して、欧米などの中華料理屋用に卸すとかすれば、そういう技術はきっと日本のほうが丁寧だろうし、日本が干しホタテや干しナマコの名産地になって、将来的にはかえって儲かったりするんじゃないか?

 

 「中国に勝とう」なんてことを言いたい気持ちはわかるよ。

 好き勝手のたまっている様は気に食わないさ。

 だけどもし私が広告を出すなら「中国に勝とう」ではなくて、「日本の魚、最高! 中国? バカじゃねえの?」みたいな(このままの文言ではないにせよ)そんなニュアンスにしたいかな。

 

 そんな私の違和感とは異なり、お左翼さんたちは別角度からの批判をしているようで。

 なかでも↓にはすごく違和感を覚える。

 

江川紹子氏 〝日本の魚を食べて中国に勝とう〟に警鐘「国のために食べるわけじゃない」 | 東スポWEB (tokyo-sports.co.jp)

 

 

 おそらく、江川と私では「国」という言葉の捉え方からして違うんだろう。

 

 江川のいう国とは、現在の自民党・岸田首相の施政下にある行政単位としての日本国なんだろう。

 「政権与党が差配している国のため」というのが気に入らないって言ってるんだ。

 

 だけどそんな考え方をしているのって、たぶん世界的に見てもかなり特殊だと思うんだ。

 

 長女が夕飯時、NHKのラグビーワールドカップの特集のなかでチリ代表に対して政府か何かが「チリ万歳!」と言っていたのを「なんか変じゃない?」みたいな言い方をしていた(私はその場面をみていなかったので微妙に違うかもしれん)。

「日本なら“日本代表万歳”とは言うかもしれないけど、代表選手に向かって“日本万歳”っていう言い方はしないじゃん?」と。

 

 だけど本来、世界の多くの国ではそれがあたりまえの感覚なんじゃないかな。

 

 建国からの歴史や風土、国民、領土すべてを含めて「国」と認識している。

 だからラグビーの代表選手も「チリ国」であって、そこをいちいち政権やら国民やらと区分しない。

 

 一方、日本のお左翼さまは「今の日本の体制」だけを「国」と呼んで「日本はダメだ」という。

 そんな思想傾向は、ウチの娘のようなノンポリ層にまでうっすらと染み付いてしまっているのか。

 

 嫌な話だ。

 

 天皇陛下を中心として紡がれてきた歴史、四季折々の山河の姿、そこで生活する市井の人々。

 すべてを含めて日本なのだ。

 

 これを指揮する現在の岸田政権がふさわしいのかどうかは別の話。

 「日本を愛し、日本のために働く」というのは、つまり日本の歴史に参加し、後世につなぎ、守り続けるということであり、それが嫌ならもう「出て行ってくれ」としか言いようがない。