「セックスしたい」「いいよ」

そんなカップルがいったいどれほどいるというのか。

日本人は伝統的に奥ゆかしいのだ。

 

不同意性交罪の主旨はわかるよ。

セクハラともパワハラとも断じ難い、なんとなくの雰囲気や酒の力で強引にセックスに持ち込まれ、泣き寝入りしたり諦めの境地に陥った女性はきっとたくさんいるだろう。

 

だが一方で、男による強引な性行為が絶対的な悪かといえば、必ずしもそうではないとも考える。

男が「性欲に負けて突っ走って」しまい、女は「そんなつもりじゃなかったのに」と言いながらも受け入れてしまって、しかしそれが好結果となることだって決して稀な事例ではない。

 

女性の気持ちはわからないけれど、男が「した」ことで相手を好きになるケースは、たぶん女性が想像するよりもずっと多い。

 

「セックスできそう」「結果的にできた」から、あんまり好みでなかった相手のことをかなり真剣に愛するようになるという事例は確かにあって、そういう性質を本能的に持っているから、お見合い結婚なんてものもうまく成り立ってきたのだ。

 

実際、私自身も25歳ぐらいの時、10ほど年上の女性から誘われて、それでしちゃってからは結婚まで考えるほどにのめり込んだ経験がある。

1回するまでは、全然恋愛対象でもなんでもない職場の上司としか思っていなかった女性だったが、もともとモテるタイプでもなかった私はいとも簡単にのぼせあがった(結局フラれたのかなんだかよくわからない感じで1年ほどの付き合いの末に疎遠となってしまったのだが)。

 

そんな自分の乏しい経験からいえば、30歳前後ぐらいの女性のほうから20歳そこそこの男を気楽に誘うことができるような何かしらの社会システムや地域イベントがあれば、おそらく少子化も結婚離れも劇的に改善するようになるんじゃないかと思っている。

 

岸田政権もさあ。

「異次元の少子化対策」なんて言いながら、その少子化の根本的な解決策である「セックス促進」の方策を整えることなく、セックスを疎遠にするような法律をつくっていったい何がしたいのか。

不同意性交罪の施行は当然のこととしても、同時に性交を促進する何か、「子どもができてからの補助よりも前段階の施策」がなければ、少子化は進むに決まっている。

それが自然の理だ。

 

そうしたことのないままに、不同意性交だけを罰しようという。

これについて岸田の頭のなかではどんな整合性が取られているのか。

まったく理解できない。

 

犯罪的な不同意性交を避けながらも、そうでないセックスを促進するための社会システムづくりはきっとできるはずなのだ。