「SNSでの誹謗中傷が原因で~」なんていうのが、私にはよくわからないし、共感もできない。

 

 私自身のことでいえば、芸能人や政治家などと比べれば何十万分の1レベルの微々たるものだが、かつての2ちゃんねるにおいてあることないこと書かれ、直接匿名の誹謗メールを送り付けられた経験もあるが、「だからどうした」「そんな風にいうヤツをどうやって見返してやろう」「この話をどうやっておもしろネタにしようか」なんてことしか考えなかった。

 

 高校生ぐらいまでの子が「ネットいじめ」に遭うというなら、それは「規制も必要かな?」とも思うが、大人については「そんなもの自分でなんとかせい」ってだけだ。

 

 表に出て表現なり発信なりをする者ならなおさらだ。

 なにかを言えば賛成もあるし反対もある。賞賛もあれば中傷もある。

 どっちも付きものであって、「賛成や誉め言葉だけほしい」というのなら、そういう仲間のコミュニティに閉じこもっていればよろし。

 こっちが頼んで芸能人になってもらっているわけじゃない。

 耐えられないなら辞めて他の仕事をすればいい。そうすればいらぬ中傷もなくなるだろう。

 

「批判など見ない、聞かない」という対処法だってある。

 

 たとえば「甲殻類アレルギーがある」という人間が、自らエビやカニを喰らい、それでアレルギーを発症したら「そりゃそうだろう」って話でね。

 誹謗中傷に弱いという自覚があるなら、それを避ける方法はいくらもある。

 

 だいたい「立派な仕事」をし「立派な発言」をする者であれば、批判や誹謗中傷はあっても、それを称賛の声がかき消すものだ。

 これは不倫をしたタレントでも批判されて消える者と、変わらず仕事を続けられる者の違いと同種のことではないか。

 

 

 さらに言えば「誹謗中傷を受けないために」と考えることは自身の発言や行動をしっかり見つめ直すことにもつながり、それによって「発言や行動の暴走を抑制する」というプラスの効果だってある。

 

(1) 松川るい =自民党=さんはTwitterを使っています: 「ネット上の誹謗中傷に対する国レベルの規制が必要だ。そのために取り組みたいと思う。それは「言論の自由」などではない。言葉によるいじめ、暴力だ。どれだけ人の心を傷つけるか、自信や自尊心を削ぎ、気力を失くさせるか。反論してもただの「燃料投下」になる恐怖。自分の言葉を発せなくなる閉塞感。」 / Twitter

 

 これを言うのが政権与党の保守を掲げる政治家というのだから呆れる。

 誹謗中傷を受けたなら「何か自分に足りないことがあるのだろう」と自分を見つめ直し、より多くの国民に資する行動や発言をおこなうよう心掛ける。

 政治家なら当たり前のことではないか。

 前段として「誹謗中傷と批判をどうやって区別するのか」という大きな問題もあるのに、いきなり誹謗中傷対策だなんていう感情優先、知性の乏しさも救い難い。

 

 誹謗中傷を規制するのではなく、その人間がなぜ誹謗中傷を行うのか。

 自身の恵まれない環境からくる憂さ晴らしであったなら、その困窮を救う方策を考えるのが民主主義下の政治家だ。

 知性や道徳の欠如からくるものなら、社会教育システム、あるいは義務教育時の教育体制を整えることから考えるべきだろう。

 SNSプラットフォームに問題があるなら、まずはそこの規制からだろうし(これだって当人がブロック、もしくは利用しないってだけで済むことなのだが)。

 

 そうしたことをやる前から「国レベルの規制」なんていう政治家を、私は絶対に信じない。