「他ラインの主導権争いを、嘉永泰が捲って圧勝」ってとこは読みが当たっていたのだが、そうか中本匠ブッ千切れちゃったか。

 ついていければ、2,3着との着差を見てもほぼ的中だったハズだが、現実に離れてしまったのだからどうしようもない。

 

 しかし準決では楽々ついていった中本匠はなぜ離れてしまったのか。

 連日の疲れということでは自力で走る嘉永のほうがあったハズだし、レースを見直しても脚の違いというよりは、仕掛けのタイミングのズレだったように感じられた。

 

 嘉永ってあまり後ろを千切るイメージがなくて、あらためて最近のレースをいくつか見たのだが、確かに他から捌かれたりしない限りは後ろがちゃんとついてきているレースがほとんどだった。

 

 それなのになぜ中本匠は、他選手と絡むこともない無風の状態から離れてしまったのか。

 

①犬伏湧の勢いが良すぎたため、嘉永泰が通常の仕掛け以上の力で踏み上げていった。

②中本匠が、あそこで仕掛けるとは微塵も思っていなかった。

 

 どっちだろう。その両方なのかなあ。

 

 このレースでもう一つ意外だったのが、赤板前の嘉永泰の位置取りで、私としては「変に犬伏湧を押さえ込むよりも行かせてから捲ったほうがいいじゃないか」などとも思ったのだが、犬伏湧にいったん引かせて脚を使わせるという結果はたぶん嘉永泰の想定通りだったんじゃないかな。

 

 で、本来は他ラインのやり合うところをじっくり見てからの捲りを考えていたところ、予想外に犬伏湧が抜け出してしまったものだから早めに追いかけていったということか。

 で、中本匠はその展開が頭になかったから離れてしまった、と。

 

 もしもそういうことであれば、嘉永はとにかくレースが見えていて、どんな流れでもある程度対応できるだけの力も持っているということになる。

 

 自力とレース運び、横の強さなどの総合力で見た時に、嘉永泰は現時点でもおそらく、平原康や松浦悠と同程度、古性優よりはちょい下ぐらいの力量があると見ていいように思う。