ウクライナが戦車や弾薬の供与を受け、さらに最新鋭戦闘機も要望しているというニュースを見て、どうにも奇妙な思いが起きてくる。
「ウクライナのためにもっと援助を」と呼びかけるゼレンスキー大統領の心性がよくわからないのだ。
まあ今の急場をなんとかしのがなければならないということでは当然の判断なのだろうが、そうやって他国に頼りまくることでロシアに勝てたとして、これは果たして正常なことといえるのだろうか。
勝ったウクライナは国際的にどういう扱いになるのだろう。
映画じゃないんだから「勝って良かったね」でおしまいじゃない。
ロシアを追い出した後は晴れてNATOに加盟して、西側の一員になるというのが一番平和的な結末なんだろうが、どうも腑に落ちないんだなあ。
なんだろう。
ウクライナの国がウクライナの人々によって平和に統治されるような未来がどうにも想像できないんだ。
西側諸国がウクライナを支援するのが完全なる善意のみであるはずはない。
その意図としては「ロシアの蛮行を許してはいけない」というところが大きいのだろう。「ウクライナを救いたい」というのは二次的なことに違いない。
そしてウクライナが勝った暁には、ロシアに敗戦の責を負わせてさらにロシアの弱体化を進めるような動きになっていくのだろう。
このような結末が西側自由主義諸国の勝利であることには違いないが、そうして残るのは「西側に頼るしかできなかった弱いウクライナ」と「西側に負けた弱いロシア」なわけで、あの広大な地域が「弱い」ままで安定平和の状態を続けられるとは到底思えないんだ。
西側の経済植民地的な状態になったとして、それをウクライナ人やロシア人たちが受け入れれば安定しそうだが、そうした状況に反発する人たちによるテロリズムが横行するような未来も思い浮かんでくる。
まあでも歴史を長い目で見た時には、結局世界はそうやって動乱を繰り返しながら続いていくものであって、完全な平和が訪れることはないんだろう。
たまたま他国の侵略を受けることが少なく、しかも天皇陛下という絶対的な君主を抱いてきたことにで安定して平和が続いてきた日本という国が特殊なだけなのだ。
その日本も今ではグローバル化を始めとする他国からの攻撃によって、いつまで平和安定が続くかわからないような状況になっているわけだが。