これまで何度も「菅義偉こそ歴代最高の総理だ」と書いてきたが、そうはいいながら100%信頼しているかというとそうでもなくて、たとえばアイヌ関係のことに熱心だったり、河野太郎や小泉進次郎に目をかけていたりといったあたりに危うさを感じなくもない。
それでも今の時期に下のような発言をしたのは、岸田路線を軌道修正しようという心意気からのことだと期待したい。
岸田下ろし? 菅前総理が“苦言”…永田町ザワつく(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース
実際に次期総理を目指しているのか否かはともかくとして、前総理がそれなりに存在感を発揮し、そこに党内の積極財政派というか増税反対派のまともな議員が集うことになれば、せっかくアベノミクスによっていい方向へ進み始めていた道筋から大きく外れようとしている岸田政権に多少なりともブレーキをかけることにはなるだろう。
もしかしたら今こそが崖っぷちのギリギリなのかもしれず、そこで菅さんがこういった発言をしたことが大きな意味を持つことになってもらいたい。
しかし一方で、菅さんが先述したようなアイヌ政策とか総務大臣時代のふるさと納税など、いわゆる「弱者保護」的な志向が強いことへの懸念もある。
もしも菅さんが自民党内で主導権を握ることになれば、暇空茜氏が旗振り役となったことで気運が盛り上がっている「弱者ビジネスへの過剰、もしくは不正な補助」を批判的に監視していこうという方向性が再び歪められることになるかもしれない。
なんでもかんでもうまく行くことが難しいのは世の常だが、それでも菅さんのこのニュースは、なんだかんだで今後の日本がうまく行ってくれるんじゃないかと希望を持たせてくれる話ではある。