山上容疑者モデルの映画、国葬前後に上映 足立監督「内面に迫る」(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース

 

なんかさあ。

やるのはいいけど下品だねえ。

亡くなってまだ間がない人のことを、どんな気持ちでいじれるのか。

「喪に服する」という、きわめてふつうの日本人の常識を欠いていることがとにかく下品。

映画制作に関わった人間はもちろん、これを記事にする朝日新聞も、見に行こうという観客もその心性を疑う。

 

 

実は「テロリストを持ち上げるのか」とかいうことについては、私個人としては否定するものではないんだ。

「作品」として昇華するのであれば、テロは十分語るに足る題材だ。

 

テロ行為についても「起きるのは仕方がない」との気持ちがどこかにある。

テロは社会の病理であって、無理に押さえ込もうとしたってどんどん悪化していくだけだ。

だからといってテロを許容するわけではないが、起きたらその原因をちゃんと治療することが社会の進歩につながるんじゃないかと考えるし、私自身にしたって「どうしようもない不満」によっていつかテロを起こさないとも限らない。

 

たとえば左翼さんのお望みの通り、もしも中共に日本が支配されたとして、その時に我が娘たちに危害が及ぶようなことがあれば私は率先してテロに走るだろう。

 

 

とはいえこの映画については完全にNOだ。

まず安倍さんが亡くなってすぐに制作に取り掛かったということに、人の死というものに対する憐憫の情や畏敬の念が感じられない。

 

芸術あるいは社会への問題提起という意味でみても、こんな短期間で深い考察などできるはずがない。

そもそも山上はいまだ容疑者に過ぎず刑も確定していないわけで、そんな事件の要点が定まっていないのに考察のしようがないではないか。ごくごくわずかながら冤罪の可能性だってあるのだ。

(念のために言っておきますが、私は「他に真犯人がいた説」に与する者ではありません)

 

この映画の裏側にあるのは浅はかな左翼的「アベガー」思想か、あるいは「話題になるで~!」という商業主義でしかない。

見ずとも低劣な駄作と断言できる。