ちょっと前に話題になったAV新法。

 いわゆるツイフェミさんが何を問題視しているのかはよくわかっていないのだが、「法で規制するということは、その規制の範囲外については認めることになる」「つまり本質的なところで女性を食いものにしているAV業界を認めることになるから許せない」って話なのかな?

 あんまり深くそっち側の意見はみていないので間違ってたらすみません。

 

 これに対して「フェミを自称しながら女性の職業選択の自由を認めないのか」なんて反論をみかけるのだが、それはどうかと思うんだなあ。

 悪いけど、職業選択の自由なんていうほど立派なもんじゃないだろう。

 

 今の時代でも性産業で働いている女性には、それをやらざるを得なかったり(借金苦や、実家の助けもないシングルマザーで育児と労働を両立させるため短時間労働で稼がなきゃいけないなど)、ダマされたり脅されたり、「本当は他に選択肢があるにもかかわらず、それに頼るだけの社会知がなくてやっている」っていう人が結構な割合でいるんじゃないかな。

 こうした女性に対しては、公的に補助や援助をするというのがまっとうな筋道であろう。

 

 自由意志で「性職」を選んだという女性にしても、「自分の望む生活レベルを維持するには普通に働いていたんじゃあおっつかない」というだけのことでしょう? それを崇高な職業倫理だとは素直に受け止め難い。

「アダルト女優が天職なんです」などと本心から思っている女性もいるかもしれないが、それはわずかな例外だと思うぞ。

 

 そのように考えた時に、やはり性産業というのは、積極的に肯定する要素の少ない職業だろう。

 そんなことはツイフェミさんを批判する側も重々感じているだろうに、それでも相手を論破したいがためだけに(あるいはツイフェミさんをイジって嗤いたいためだけに)「職業選択の自由」なんて言ってしまう。

 そうやって、本心では思ってもいないきれいごとを自己都合で使うっていう態度は、どうも好きになれんのだなあ。

 

 私自身はというと、そんなことを言いながらアダルトコンテンツは映像も実際のフーゾク店もたしなむほうで、ツイフェミから言わせれば性搾取をしている側の人間だ。

 だからといって、それを選ぼうという女性の自由意志を尊重すべきだとも思わない。やっぱりやらなくて済むならやらないほうがいいと考えるし、我が娘がもしも「AV女優になる」なんて言い出したら、止めるかどうかはその時になってみないとわからないが、少なくとも私の知っている範囲で「肉体的にも精神的にも法的にも、どんなに危険な仕事か」について懇々と説くぐらいはするだろう。

 

 

 その意味からすれば、性産業やアダルトコンテンツ全般を批判するツイフェミさんの気持ちもわかるといえばわかるんだ。

 だからといってそうしたところで働く女性を否定も軽蔑もしない。

 やっぱり必要とされているからこれだけ巷にあふれているわけだし、それを望んでやろうという女性がいれば「ありがてえ」と利用させていただく。

 

 これもちょっと前に話題となった「月曜日のたわわ」や、公的なところでアニメ風巨乳女性キャラを使ったりするのも、私自身は「ゲスいなあ」と感じられて好きじゃない。青森競輪のキャラにもなじめない。

 こうしたものを擁護して「性的に見るほうがおかしい」なんていうほうが詭弁だと思う。

 作り手もそれを採用する側も、絶対に性は意識してるもの。

 しかし、だからといってけんもほろろに批判しようとも思わない。

 

 どうにも筋の通らない、どっちつかずの態度ではあるのだが、しかし現実社会って性的な話に限ったことでなく、何事においても矛盾がいろいろとありながら、それぞれが自分なりに折り合いをつけながらやっているもんだろう?

 

 ツイフェミさんもそれを批判する側も、もっとゆるゆると、どっちもどっちってことでやっていけないものかしら。