きのう、テレビ東京でタイトルは確認してないけど心霊系の番組をやっていて、事前の宣伝で「冝保愛子に関する特集」みたいなことをやってたので、見てみたんだ。

 冝保愛子については、一番活躍していた頃って90年代? 00年代? とにかく名前は知っていたけど彼女の出演番組はまったく見たことがなくて、だけど同世代の人間ならほぼ全員が知っているようなことを私だけまったく知らないというのもどうなのかという気持ちがあってね。

 それで「かつての忘れ物を取りに行く」っていうほど大層なことではないけれど、一応見てみようかって気分だったのさ。

 見るといったって、ナイター&ミッドナイト競輪と仕事がメーンで、テレビは冝保待ちの間のほとんどの時間、画面を横目で眺めるぐらいだったんだけどね。

 

 だけど冝保の部分はというとショボショボで、なんだかなーって感じではあったのだが、他にも気になる点がいくつかあった。

 

 まず心霊動画がいくつか紹介されていたんだが、そのうち半分ぐらいが「子どもを撮影していたらうしろに心霊が……」みたいなつくりで、それがどうもねえ。

 自分の子どもの動画を心霊動画なんかに加工する親の気持ちがまったく理解できない。

 自分でやったんじゃなく、制作会社に素材提供するといった形なのかもしれないけど、それにしたって我が子をネタにするかね? 仮にカネが出るとしてもたいしたもんじゃないだろうに。

 どんな気分で我が子と心霊をコラボさせているのか。その気持ちがまったく理解できない。

 

 あとどうせ心霊写真やら心霊動画をつくるなら、もっとド派手にやったほうがいいとは思ったかな。

 私のように信じない人間はどんなに信憑性を取り繕ったって信じないんだし、信じる人はどんなんだって信じるんだ。

 だったら派手はほうが私のような人間には笑えるし、信じる人はもっともっと怖がるだろう。

 きっと作る側がまだ「自分は常識人だ」って気持ちが捨て切れていないんだろう。

 そんなんじゃあオモロイもんはつくれんぜ。

 その点、心霊でメシを食っている人たちはよくわかっているようで、音声は聞いていなかったけどマネキンが動くとか、ネコの人形だかなんだかが鳴くとか、枕元に霊が出るとか、ちゃんと作り込んでたんじゃないかな。

 

 

 あとこの番組、芸人がいっぱい出てたんだけど、彼らおもろいことは一切やらないんだな。

 ディレクターなりから「マジメにやってください」なんて指示があったりするんだろうけど、まあなんつうか。

 そういうタレントになりたい人たちなんだろうから、それはそれでいいんだろうが、私としてはちょっとガッカリしてしまう。

 

 昔のことだからあまり記憶はないけれどビートたけしとかあのあたりの世代の芸人はみんな、怖い映像なるものの後もちゃんと笑いを挟み込んでたような覚えがあるし、タモリの世にも奇妙な物語のストーリーテラーだってどこかハスに構えた半笑い風な雰囲気は出してるわけじゃん?

 

 ロケで怖がるのはまだしも、スタジオで見てた鬼越トマホークとか、そんなんでいいのかね?

 まあ別にもともと好きでもないので、思うようにやればいいんだけどさ。

 

 ともかく、見ちゃったことでもろもろ哀しい気分になったんでした。