Spotify「聴漫才」評②
(◎絶対聴くべき、〇聴く価値あり、△演者のファンなら、×時間の無駄)
〇滝音……言葉遊び的な滝音の漫才は、音だけの聴漫才によく合っている。恐らくアリネタのつなぎ合わせだろうが、破綻はなく、この企画のためにちゃんんと台本をつくり込んできたのだろうと思えるあたりも好印象。
◎すゑひろがりず……ふだんはあまり興味がないというか、単に言葉の言い換えだけってどうなの?って感じだったのだが、そんな私と同じように思っている人にこそ聞いてみてほしい。ショートネタの羅列みたいだからなのか、ちょっと他のことなどしながら長時間聞くにはホントちょうどいい。まさにこの企画向きの芸人だと聴き終わって感じた。しばらく彼らのネタは見ていなかったが謡いなどの技術もかなり上達しているように感じた。
△Dr.ハインリッヒ……冒頭で「双子で声が似ているから落語に聞こえるかも」みたいなことを言っていて、確かにそんな感じはあったが聞き分けられないってほどでもない。ただ、もともとぶっとんだネタをやる人たちということもあり、ちょっと他に気をやると、何を言ってるかさっぱりわからなるのが難点。ときたまおもろいフレーズは出て来てそこはおもろいんだけど、長時間聴くとなるとキツイかも。
△アキナ……M-1関連ぐらいでしかアキナの漫才は見ていないのだが、正直ネタ自体がどうなんだろう。私には肌に合わない。こっちは「あんまりおもしろくないなあ」なんて思いながら聴いているのに、彼ら2人が聴漫才を企画モノとして楽しんでいる風なところにちょっとイラついてみたり……。ただ関西では人気だと耳にするし、たぶん好きな人にとってのアキナらしさはよく出ているのだろうとは感じる。声は聴きやすい。
〇ニッポンの社長……冷静に考えれば大したことは何も言っていないのに、なんかオモロかった。最初はそんなにピンときていなかったのにいつの間にか笑ってたって感じ。彼らのコントにもそんなところがあるし、ニッ社の良さがよく出てた。ながらで聴くのに合っていた。ケツは台本読みながらやってたのかなあ? そこはわからないけど、聴漫才ならそういうやりかたもありかも。
△囲碁将棋……彼らには全然悪い印象はないのだけど、なんかつまらなかったなあ。きちんとフリのある漫才が聴くだけの形に合わないのか。一番最初のくだりとかオチまでたどりつけばオモロイんだけど、ながらで聴いているとフリの途中で飽きちゃうというか、ずっとしっかり聴いていないと、どういうフリからのオチなのかがわからなくなってしまう。演者の必死さの絵面込みで完成品になるネタというところもあるか。鶴翼の陣とか石川十教室とか、おもろいフレーズはあるのに全体では散漫に感じてしまった。