先日、陰謀論界隈ではかなり有名だという人と話す機会があったんだ。
「アメリカはすでに国家破綻している」「バイデンは影武者だ」などといった話には「はぁ、そうですか…」といった感じで、じゃあそんなアメリカとの同盟を後生大事にしている日本はどうなのか。
それで「今後日本はどうするべきなんですか?」と尋ねた時の答えがかなり意外なものだった。
「高度成長期の頃に立ち戻り、改めてモノ作りの国を目指すべきです」
私としては「アメリカがダメなら欧州か。それとも中国ロシア、あるいはインドと組むべき」みたいな答えを想像していたのだが、彼は「金融の世界がもうすぐぶっ壊れるから、モノ作りをしっかりやらなければいけない。日本はまだそこに戻れるだけの地力がある」という。
その結論が正しいのか否かはさておいて、話としては「なるほど」と思わされた。
そこにたどりつくまでの途中の話ははっきり言って「トンデモ」としか思えないが、しかしその結論には正直なところシンパシーを覚えた。
で、改めて考えた時に「陰謀論というのは現代の寓話なのではないか」という思いが浮かんできた。
「ディープステートが世界を動かす」なんていうのはまともに受け取る気にはならないけれど、しかし「我々が何も考えずにくだらない生活を送っていると、そんな酷い世の中になりますよ」という教訓を含んだ寓話としてとらえた時に、じつはかなり意義深いものなのではないか。
もちろんどうしようもなく酷い陰謀論もあるので内容の吟味は必要だけれども、「陰謀論だから」とそのすべてをバカにしたり無視するのも違うのかなあなんて考えを新たにした次第。
ちなみにこの陰謀論の彼は「ウクライナの件はそれほど大きなところまでは広がらない。そもそも武力衝突による第三次世界大戦みたいなことが起これば世界が破滅するので、それはディープステートの人間も望んでいない」とおっしゃっていました。