ジョコビッチの国外退去については「そういうルールだから」ということで仕方がない。

 現行ルールがそうであるなら、それを守らなければルール通りに処分されるだけのこと。そのルールが正しいか間違っているかはまた別の問題だ。

 

 ただヤフコメなどをチラっと見たところジョコビッチ批判の声がけっこうあって、その根本のところにある「ワクチンを打たない=身勝手な悪者」という理屈がよくわからない。

 

 ジョコビッチ批判者はきっと「ワクチンが良い物、効果のある物」と考えているのだろうが、その時にジョコビッチのことをその価値がわからない人間として憐れむのであればわかる。

 だけど多くの批判者はワクチン接種しないことを「悪行」だという。

 ワクチンが感染拡大が止められる良いものだというのなら、自分や近親者さえ接種しておけば、あとは誰がどうしようと構わないだろうと思うのだが、何を問題視しているのだろうか。

 

 ジョコビッチのせいで反ワクチンの風潮が広まればいつまでもコロナ禍がおさまらないというのだが、ワクチン2回接種者が8割近いいまの日本でこの感染拡大状況なのだ。

 少なくともオミクロン株の感染拡大に対して現行のワクチンは無力のようで、そうすると接種しようがしまいが大差はないことになる。

 

 それに冷静に振り返ってみれば、昨夏の感染拡大期だって経済は止まっていない。

 飲食店や旅行業など一部業種は大変だったろうが、そのぶんのカネは「巣ごもり需要」などにまわって経済全体でみれば大きな傷にはなっていない。五輪だって開催された。

 

 そもそもジョコビッチはこれまで2回、新型コロナ陽性の判定を受けているようだから、それによって体内にできた抗体は、いま流通しているワクチンよりもずっと現在流行中のウイルスに対して強い効果があるものと推察できるわけだし、現在のジョコビッチからすればわざわざワクチンを打つことはムダに副反応のリスクを負うだけのことにしかならない。

 

 「過去に陽性反応が出ながらイベント出席した」とこれを無責任だと批判する声もあるが、それは今回の全豪のこととはまた別の問題だし、ちょっとネットで調べたところだとそのイベント出席の経緯の詳細は見当たらず、もしそれを把握しないで批判しているのならそれもまた、無責任な話だ。