河村たかし名古屋市長の噛んだ金メダルが交換されることが決まったという報道を見て「ん?」と。

 

河村たかし市長が“噛んだ”金メダル交換へ(日本テレビ系(NNN)) - Yahoo!ニュース

 

 私としても噛んだ行為自体は年寄りの身勝手な感覚をさらけ出す時代にそぐわないものだとは思っているのだが、交換とまでいうのはどうなんだろう。

 行為自体への反省をうながすまではいいにしても、メダル交換となるとあまりにも不寛容というか、某超一流漫才師さんのネタの「黒人の触ったもんに座れるかい!」というサゲを彷彿させるようで「ちょっと老人差別が過ぎるんじゃないか」「そこまで汚物扱いするのはどうなんだ」みたいな、マナーに反することをしただけで存在自体を許されないような恐怖みたいなものを感じたわけです。

 別に歯形がつくほど強く噛んだわけでもなかろうし、汚いと思ったにしてもアルコール消毒とか除菌シートで拭くぐらいで十分じゃんっていう…。

 

 記事を見たら、メダルの持主である後藤選手自身は「交換不要」と言っていたそうで、それについては安心したというか、後藤さんというのはまだ私と近い感覚の人なんだなと思ったものの、じゃあ誰が交換を指示したのか。

 上記事を見た限りだと荻生田文科相ってことなのかなあ。

 

 世論を受けてということなんだけど、それはあまりに救いが無さ過ぎるというか、河村市長は愚かだったとはいえ悪意でやったわけでもなし。それでそこまで徹底したことをやろうという感覚にはちょっとついていけないなあ。

 

 「汚い」「キモイ」という感情だけで、化学的に変質したわけでもないものを、しかも所持者自身は不要といっているのに交換しようというのは、まるで「絶対正義」を突き付けられたような気がしてね。

 あらゆるところでこういう感覚があたりまえになってきているのだとしたら、それはなんとも嫌な世の中だなあと思うわけです。