切ないなあ。ただただ切ない。

横田滋さんが亡くなったとの報に接し、がらにもなくずっしりと落ち込む。

 

普段は自分のことでも他人のことでも大抵のことは「自分でなんとかするしかねえだろ」「まあ運が悪かった、しゃあーない」と考える性分なのだが、この拉致事件はなあ……。

 

娘さんが行方不明になってから40年以上。

拉致被害に遭ったと分かってからも20年以上。

生きているのか亡くなってしまったのかも判然としない。

 

犯人は分かっている。

安倍総理を始めとして現政権は解決に向けて「気持ちだけ」はあっても事態は遅々として進まない。

 

もし「国民の命はなによりも大事」と、国際情勢も無視、北朝鮮が何かしらのテロ行為に走ることも恐れずに、何事にも先駆けて拉致被害解決だけに邁進するような政権であったなら、事態は違っていたかもしれない。

そうすることが正しいか否かは別問題として可能性としては、ということなんだけれども。

 

でも親としては、例え他の日本人が北朝鮮のテロ被害に遭ったとしても、それで自分の娘と会えるのならそのほうがいいやなあ。

むろん横田滋さんはそんなことはおくびにも出さなかったけれども、本音としてはそうさ。

 

きっと北のシンパだけでなく事件に関心の薄い日本人からも心無いことを言われたことは数知れずあっただろう。

ぶちキレたくなることもあったハズだ。

それでも期待と不安ないまぜのまま、真摯に解決を訴え続ける。

そんなこと私には到底できるような気がしない。

 

そうやってきた結果、会えないまま自分が死んでしまうなんてどれほどの無念か、想像することすら憚られる。

ホント、切ないなあ。