いまだに「政府はコロナ対策を何もしていない」との論調を見かけるのだが、なぜそんな考えになるのかがまったく理解できない。

 専門家会議を設置してそこから出された方針を基にして政策を進めるというのは、政府による立派なコロナ対策である。

 

 それをなぜ無策などと言うのか。

 考えてみるに、そうした批判をする人間というのは結局人の上に立って組織を動かした経験がないのだろう。

 

 会社勤めをしていた頃に小さい部署ながら「長」の役職を務めた経験からいえば、長が先頭に立ってバタバタ動くなどは下の下。

 ドンと構えて皆のやることを俯瞰していて、誰の目にも明らかにおかしいというときだけ修正すればいい。

 

 しかも日本の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は、座長、副座長ともに疫学においては高度な知見と確かな実績のある世界的権威だそうじゃないか。

 

 それを相手に安倍首相が独自路線を行くなどは愚の骨頂で、何もしないのが大正解。

 そういう人物を揃えただけでも政権の勝利であって、明らかな失敗というのはマスク配布発表の時期ぐらいじゃないの?

 10万円給付の発表が先で、それからマスクなら、世間一般の安倍政権に対する見方もきっと今とは大きく異なっていたことだろう。