諸所の都合で敗者復活と1ラウンド最初のニューヨークは見られなかった。
そのうち動画で確認したい。
途中までは「実績も経験もあるかまいたちや和牛がしっかり進化してるんだから、そりゃあ他じゃあ敵わないよなあ」と思って観ていたのだが、とんだ見当違いだったようで。
優勝のミルクボーイは、コーンフレークのネタは先に動画で見たときに「大したことねえな」と軽んじていたのだが、昨日テレビではそうした先入観を上回る面白さで、同じネタなのに感想が180度変わるのは、画面や音量の大小の差によるものなのか、ライブ感ゆえなのか、あるいはこれが芸の力というものなのか。
2本目のもなかのネタも漫才の作り自体は同じなのだが、ちゃんと先のネタを下敷きにしてそれを質でも複雑さでも上回るツッコミになっていたので、決勝でもウケたのは、しっかり計算されてのこと。
たとえば逆にもなか→コーンフレークの順で同じネタをやったときには、ダダすべりもあり得るんじゃないかな。
まだ秘めたるポテンシャルもありそうだし、優勝は良かったと思います。
ただ私が一番ネタで笑ったのは、じつはインディアンスだったんだよなあ。
あまりの低評価に「和牛を決勝に残そうという力が働いたのか?」とも疑ったぐらいだが、次のペコパが和牛を上回ったのだから、そこはゲスの勘繰りだったか。
インディアンスの“軽さ”は確かにチャンピオン向きではないとは思うのだが、でも一つひとつのボケは印象よりもしっかりとしていて、例えば誰か他の演者が彼らと同じネタをスローペースでやったとしても十分にウケを取れるクオリティにある。
高いレベルのボケをこれでもかと詰め込んだ、ジャンクだけど激ウマの一品だと思っているのだが。
地味ながらキムの力量も上がってきているように見受けられるし。
話術だけでなく、今回感心したのが、田渕に腕を引っ張られたキムが体幹がブレずにしっかりセンターで踏み止まっていたところ。
細かいようだけどこういうのって大切だと思う。
田渕のキャラや服装がアンタッチャブル山崎に似過ぎているのがマイナスなのか?
しょせんはモノマネに過ぎないと。
そこは確かに改善の余地はありそうだが、質の低いエピゴーネンではなく部分部分ではザキヤマを上回るだけのポテンシャルもあると思うぞ。
審査員みんなベテランさんだからスピードについてこれなかったとか?
ただ上沼恵美子だけはそれなりの高点数だったしなあ。
半数ぐらいが低評価というなら好き嫌いの問題だろうが、あれだけ軒並みだと私の感覚がおかしいのかと不安になる。
ところで大会全体でいうと、今回一番笑ったのは上沼恵美子がからし蓮根の寸評の中で和牛を罵った場面だったりする。
いやあさすがの底力だなあと感心しきりですわ。
去年に起こった「上沼不要論」は今回審査で完全に覆ったんじゃないかなあ。