これまで、白鵬や日馬富士を支持する旨の記述をしてきたが、じゃあ貴乃花はどうかといえば、実はこちらに対してもことさらに批判的なわけではない。

 法に則って判断するという貴乃花の考え方も理屈の通ったものであり、「現状完全肯定すべし」派の私とは意見こそ異なるものの、それはそれでひとつの在り方だと理解している。

 「横綱こそ正義」「横綱とて法律に従うべき」、どちらに正当性があるかはともかくとして、どちらも一貫した考え方であり、その双方が意見をぶつけあって結果的に方向性を決めていけばよい。
 
 よって今回の相撲界の騒動において気にいらないのは貴乃花ではなく、手前勝手な感情論ばかり垂れ流す奴らなのである。

 なにが横綱としての品格だっつーの。

 優勝40回の歴代最強クラスの横綱白鵬より相撲のことが分かる人間がどこにいるというのだ。
 品格に劣れば、ここまで活躍を続けることなく、きっとどこかで潰されていたことだろう。

 「相撲のことが分かっているからこれだけ優勝できる」との意見を否定するならば、つまりその人間は「品格などなくとも横綱になることができる」「品性下劣で相撲のことなど分かっていなくても勝てるただの力自慢競技」と言っていることになる。
 だけど私はそうは思わない。

 批判を浴びた「待った」の件だって、あれは白鵬が「変だ」と思うぐらいにある意味巧い立ち合いを嘉風がしたということであり白鵬の勘違いだということはテレビで見れば明白なのだが、それでも白鵬ほどの横綱が「変だ」と感じたというならばその見解を聞くことぐらいはあっても良かったのではないか。
 それは相撲の奥深さを世間に知らしめる好機となったかもしれないのに、関係者までが「白鵬が悪い」だけのことで済ませようとするその了見が分からない。

 ネットの意見を見る限りだと9割方は白鵬、日馬に批判的なのだが、安くないカネを払って会場に足を運んだファンが笑顔で万歳をするならそれが「なによりも興行成功の証」なのに、カネも払わずテレビ中継すら視ず、ニュースで流れた切り取られた一コマだけをみて批判を垂れ流す奴らが多すぎる。

 恥を知れ。

 こういうことをいうと「大相撲には我々の税金が使われていて、放送するNHKにも受信料を払っているのだから、我々も有料観客だ」なんて反論の声もありそうだが、それを「屁理屈」という。

 税金が、というなら国民ひとりあたりいくらのカネが相撲界に支出されているかを知った上で言っているのか。
 NHK受信料のうち大相撲中継に充当する分はいくらになるのか。

 仮に相撲界への税金による支援が無くなったとして、その場合にはそれで浮いたカネをどこに回せば国民生活が良くなると考えているのか。
 
 そこまでの考えや下調べがあってようやく批判のトバ口に立てる。

 だいたい「税金を払っている我々もスポンサーだ」なんていう考え方自体が気に入らない。
 スポンサーだの株主だのの本質は、資本家がいかに楽で安全にカネを回収するかという考え方の元で作られたシステムなのだ。
 そんな資本家たちの意図のままに操られて「自分もスポンサーだ」なんて間抜け面でわめく、それを「資本家の犬」というんだワン。


 だいたい株主などが幅を利かせるものだから、会社は職人気質を軽んじて数字合わせばかりにやっきになり、その結果が今般の日本企業におけるデーター改ざんなんていうことも起きてしまうのだ。
 糞っ。
 
 つーか、今回の件で騒いでいる輩は、日本の国技であるところ相撲を貶すことで自己満足しようとする朝鮮人中国人が大半なのではないか、との疑いすら持っているのだが実際のところどうなんだろう。