内閣改造後のマスコミ各社による調査では、どこもそれなりに支持率アップだそうで。
 まあでも、そもそもの支持率下落自体がマスコミの扇動による気の迷いのようなものに過ぎないわけでね。
 加計やら森友で一気に押し切られたら危かったけれども、時が経てば元に戻るのがむしろ自然だろう。

 つまり今回の支持率アップというのは、内閣改造が功を奏したというわけではなく、一呼吸置いたことでメディアの誘導が解けて、元に戻った人がそのぐらいいたということだと思っている。

 今後も時間が経つほどに、以前ほどではないにせよ、そこそこのところまでは回復するんじゃないかなあ。

 まあでも安倍首相にしてもマスコミの扇動ひとつでマイナス評価に替わってしまう程度に軽薄な部分があるには違いない。
 このところのテレビ出演を見ても危うさを覚える部分はあり、もうちょっとしっかりしてもらいたいものである。
メディア対策の専門家とかを、ちゃんとブレーンとして抱えているのかねえ?
 御用記者とかの意見だけでなく、発声法などの基礎的なところから始め、プロの指導をきちんと受けるべきだと思うのだがなあ。


 話は替わり、きょう夕方のこと。
 テレビをつけていたらTBSの報道特集に桂歌丸が出演していた。

 話の内容はまあよくある「戦争体験者の戦争絶対反対! 9条固持せよ」というやつで、これに関しては以前から私は「最低でも戦時に20歳前後の人間じゃなきゃあ当時のホントの空気など分かるわけねえだろ」と言っていて、戦時中に10歳かそこらで疎開していただけの歌丸やら田原総一郎に戦争の何が分かるもんか、ということで取り立てて反論も何もない。

 それよりも違和感が拭えないのが、いつの間にやら歌丸が「大物」扱いになっていることなのだ。

 私が寄席に通うなどしてもっとも熱心に落語を観ていたのは今から30年近くも前の大学生の頃なのだが、その当時、歌丸を評価する声などは周囲で一切聞かれなかった。
 「気取って大ネタをやるけどまったくうまくもなければ面白くもない、笑点で有名なだけの噺家」というのがおおよそのところだったと記憶している。

 ちなみに今の笑点メンバーに対する私の当時の個人的評価は、三遊亭小遊三が巧さや面白さにおいて落語界全体の中でも上位級。
 それの次ぐのは楽太郎時代の三遊亭円楽だが、これは好みの問題で、わざわざカネを払ってまでは観に行きたいってほどではなかった。
 木久蔵時代の木久扇は、まあ寄席で出てきても同じネタばかりだけどまあまあ嫌じゃないってくらい。
 昇太は落語そのものよりもタレント性や人間性が上かなあと。
 三平はデビュー以前だったし、たい平、好楽は特に印象が残っていないが、歌丸はそれよりもまだ低評価だった。
 多くの好事家においても大差のない評価ではなかったか。


 それがなにやら大物然としてテレビ等にしゃしゃり出てくるのがどうもねえ…。
 人間、長生きするものだなあ、と。

 でもさあ、鼻に管付けて高座に上がるなどはまったくもって粋ではないし、そろそろ完全引退してくんないですかねえ。
 あんなのがトップだと思われると、落語ってやっぱりかび臭いものだなあ、なんて世間から思われそうで嫌なんですけど…。