今度の参院選からは18歳以上に投票権があるといってもねえ。
 多くの高校生たちからすると「急にそんなこと言われても…」というのが偽らざる本音ではないか。

 大学受験もしくは就職活動こそが最重要事であり、それは今後も変わらないのに、改めて選挙なんかに気持ちを向けていられるかよ、と。

 別にちょこっと候補者の主張を読みかじったりするぐらい大した手間でもなかろう、というのは大人の意見。
 受験や就職という人生の岐路にあって、選挙などという雑事に構っていられる精神的余裕を持った子は少ない。

 投票したからといって学校の内申や大学受験に有利になるわけでもなし。
 「選挙こそ最も大事な国民の権利」というのが空虚なお題目に過ぎないことも彼らはきっと直感している。
 
 ホント、そんなに大事だというのなら、なぜ日本の選挙は日曜が投票日とされているのか。

 投票よりも仕事の価値を高く見ているから休日に投票を、なんて発想になるんじゃないか。
 他国同様に平日に行い、大人たちが率先して仕事など差し置いて投票に行けばいいんだ。

 そうなんだよ。
 平日投票になれば、きっと投票率も上がるんじゃないか?
 いったん家に落ち着いた後の休日に、改めて投票に出かけようというのは結構労力を要求されるものだが、仕事へ行く前に投票できるとなればもっと気軽に参加できよう。
 投票に行くなら遅刻欠勤も不問とする、となればサボりついでに投票へ行こうと思う人もいるだろう。
 

 とはいえ、18歳からの選挙権が必要ないと言いたいわけではない。
 でも、それを無理強いするのでなく、投票に重要性を感じるようになった子から順次、投票に出かけるということでいいんじゃないかなあ。

 投票棄権することによってもまた、何か自分なりに見直す部分も出てくるだろう。
 それはそれでひとつの勉強だ。