山口組が分裂とかどうとか。
暴力団組織に詳しくはないが、記事など見る限りだと、現組長の出身母体である弘道会で組の中枢すべてを抑えようとしたことが他からの反発を招いたとか。
さもありなん、と思う。
すべてを得ようとすれば、結果としてかえって多くのものを失うというのは、なにもこの件に限らず、いろんな場面で見られる一種の真理だ。
敗者への気遣い無しに、勝者が勝者であり続けることは難しい。
そんなことはケンカ慣れしたその筋の方々なら重々承知だろうに、なぜやってしまうのかといえば、そこがやっぱり人間の欲のすさまじさなんだろうなあ。
同じく分裂待ったなしなのが維新の会で、アンチ結の党、アンチ柿沢未途の私としてはざまあみろ感が半端ない。
このときに改めて思うのが橋下徹のケンカのうまさだ。
実利を得るためには、譲れる部分は惜しげもなく譲る。
本来なら柿沢らに対して「出て行け」と言って当然の立場でありながら、それだと党内のみならず世間からも大きな批判が起きることは重々承知。
さっと自らを引いて、関西系の元祖維新勢をまとめて新勢力の形勢を目指す。
柿沢らにしてみれば、幹事長職を守られた立場でもあるから批判することもできない。
裏切り者なんて言った日には、逆に「恩知らず」とされかねない。
そもそも橋下の決断が素早く、予想の外を行くものだから、とっさに反応もできない。
この結果、おそらくは現状の維新は立ち腐れ。
関西維新の会みたいなものが時を待ってアタマをもたげてくることになるんだろう。
近視眼的な利益を取ろうとしたことで柿沢は、かえって実利を失い、橋下の大局観に完敗することになるというわけだ。