「安保法案」パロディー動画が大人気
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2546932.html

 ちょっと見てみようかなあと思ったんだけども、3分ぐらいで飽きて止めた。
 別にここでの「あかりちゃん」が完全に間違ったことを言っているとも思わないが、一方では自民側の主張にも理はあるわけでね。
 両論あることを一方的に断ずるやり口は飽きあきだし、いろんな可能性を否定せず安全を求めるのが政府の仕事なのだから、理想で斬ってみたところで何の意味もない。

 たとえばこのパロディ動画の私が見た範囲でいえば「他国が日本にミサイルを向けている」という状況に対し、あかりちゃんに「ミサイルを撃たせないようにするのが政治」なんて言わせているのだが、これはさすがに考えが浅すぎる。

 中国にせよ北朝鮮にせよ、決して盤石な政権というわけではない。
 軍部の反乱が起きる危険性は常に頭に置いておく必要があり、そしてもしそうなったときには、いくら両国政府と良好な関係を築いていたとしても、反乱軍に対してはなんの効力も持たない。
 さまざまな交渉は一気に無に帰して、あるいは良好な関係となっていたなら、だからこそ反乱軍に狙われるということだってあるだろう。
 それともこの動画作成者は、そうなったときには反乱軍側とも良好な関係をつくれというのだろうか。
 無理です! どんな屁理屈を重ねようがそれは絶対に無理。

「攻撃されないような価値ある国になればいい」なんて論もありそうだが、それも現実にそぐわない。
 たとえばイスラム国などは、一般的に「歴史的価値がある」とされる遺跡群も平気でぶっ壊すわけで、価値観などは時と場所、人によってまったく異なり、すべてにおいて認められるものなどあり得ない。

 またこの動画では「ミサイルについては個別的自衛権で対処できる」という言葉も出てくるが、そてもどうか。
 日本のミサイル迎撃システムはアメリカの技術に頼る部分は多く、そこを利用することを念頭に置きながら、アメリカ向けに発射されたものは近くにいながら知らん顔というのは、あまりにも身勝手な考えだろう。

 だいたい個別的自衛権というもの自体、日本のこれまでの政権が、自衛隊の活動のために考え出した裏ワザのようなものに過ぎない。
 国際的には自衛権の中に個別も集団も含まれると見るのが一般的であり、個別だけを取り出したのはかつての政権がつくり出したオリジナル。
 それを論拠にして集団的自衛権に反対というのも滑稽な話ではないか。

 もしかすると反対派は中曽根、竹下なんていうようなかつての自民党のシンパたちなのだろうか。
 そうでないとすればアタマが悪いとしか思えない。