さまざまな色絵の具をひたすら混ぜていけば、一瞬は多彩なグラデーションやマーブル模様を見せることもあるかもしれないが、最後には黒か灰色になってしまう。

 在日鮮人を擁護する層はよく、「共生社会」だとかなんとか言ったりするけれど、それも同じことだ。
いろんな人種が共生することになって、その結果として生まれるのは優れた文化などではない。
特色の薄れたつまらないものだけだ。


 曽野綾子の産経新聞コラムが「アパルトヘイト称揚」と問題視されていることについては、そもそも前提となる「移民受け入れ」が私には許容できないので、まったく注目していなかったのだが、「異なる人種が区域を分けて居住する」という考えには同調する。

 生活習慣の違いからいらぬトラブルを生むばかりだし、もし共生が生活者レベルではうまくいったとしても、そこから生まれるのは、元からそれぞれの持つ文化を薄れさせただけのつまらないものでしかない。

 人はそれぞれ違う文化で育ってこそ、それが対峙したときに新しいものも生まれる。
 習慣から何から同調させようというときには、そこにまず生まれるのはざっくりとした大枠のルールであり、これが独自文化や思想の発展を阻害することになる。