私、あります。
身近にいます。
そう!犬さん!!
我がリアきょーだい!
今日はリウマチの病院でした。
とりあえず個展前なので、リハビリはキャンセルして、
痛み止めの注射だけして帰る事にしたんです。
だから全部で1時間ぐらいで終われたんだけど、
私たちが会計を待っている時に、患者のおばあちゃんがやってきました。
その方はリウマチが進行しきっていてしまって、全ての指も曲がっていて
杖も肘にかけるタイプのを両方で持つ感じのもの。
待合の椅子では背が低い為、受付の方にキャスター付きの椅子を借りて座ったおばあちゃん。
再診票を書きながら待っていると、看護師さんがやってきて状態を尋ねます。
「先月からね、5回も転んじゃったの」
どうやら膝もダメらしく、痛そうにさすりながらそうやって答えていました。
私も痛いけど、もっともっと大変な道を歩んでこられたんだろうなと思い見ていると、
看護師さんが去った後に、院内で提供しているウォーターサーバーにお水を取りに行ったんです。
その距離60cmぐらい。
だけど、おばあちゃんが座っていたのはキャスター付きの椅子。
力を入れて立った途端、前のめりで倒れかけたんです。
「あっ!」
と私が声を出しても、私も杖歩行の身。立ち上がれるはずがありません。
しかし、隣の犬さんは早かった。
おばあちゃんまでの距離1mをザザッと駆け寄り
その体を右手で救い上げて、左手で倒れてくる杖を押さえて、
右足を軸にして、左足でキャスター付きの椅子を蹴飛ばして安全を確保したんです。
待合室の空気がシーンと一瞬冷えて、その後みんなで「ほーーー」っと。
その後、おばあちゃんを安全な壁に寄りかからせて、
待合室の中にある少し背は低いけどしっかりとした椅子を受付さんと一緒に持ってきて
座らせて、おばあちゃんは事なきを得ました。
おばあちゃん
「ありがとう、ほんとにありがとう。あたしゃ、また転ぶとこだったよ」と言って
目に涙を浮かべてました。怖かったんでしょうね。ほんと下手すれば、転んだ拍子に
顔面を打ちつけてしまうか、もしくは手でかばって手首を酷く傷めてしまっていたような状況だったんですもん。
健康な時だったら、私も一緒になって飛び出したかもしれないけど、
やっぱり私なんかの力じゃ、転びかけているのを救い上げて抑えるだなんて
絶対に出来ないなって思いました。そして同時に誇りに思ったり

そういえば昨年の311の時も、まだ私とかろうじて電話が繋がっている時、
自分もお客なのにビルの中のお客を
「机の下に隠れて!」
「みんなで出口に駆け寄るな」
「安心してください。僕の支持に従って」
とか言いながら人員整理したり、
この間も自転車で転んじゃったお爺さんを、やっぱり車から飛び出して助け出したし。
考えてみると、すごい身近で誇れるHEROなのかもです。

ね、HEROさん。